試合レポート

【センバツ1日目】延長10回、まさかのサヨナラ暴投で近江初戦で散る〈第3試合 熊本国府-近江〉

2024.03.18


西山 恒誠(近江)

<第96回選抜高校野球大会:熊本国府2-1近江(延長10回タイブレーク)>◇18日◇1回戦◇甲子園

開幕戦に次いで、大会初日から2試合目となるタイブレークにもつれ込む熱戦は、予想しない結末となった。

1対1でタイブレークに入った延長10回。先攻の近江(滋賀)は無得点だったが、その裏に熊本国府(熊本)が1死満塁からの近江エースの西山 恒誠投手(3年)の暴投でサヨナラ勝ち。春夏通じて初の甲子園で、劇的な甲子園初勝利を飾った。

主将の野田 希内野手(3年)は「熊本から仲間たちが応援にきてくれたので、勝てたので良かったです。最初から10回まで盛り上げてくれて、自分たちの力にすることができた」と声を弾ませた。

両投手が互いの持ち味を生かした投球を見せ、見応えのある投手戦を繰り広げた。近江先発の西山が9回まで14三振を奪う力強い投球を見せれば、熊本国府の先発・坂井 理人投手(3年)は、制球良く近江打線を打ち取り、8回からは左サイドの植田 凰暉投手(3年)が登板し、近江打線を抑えた。

植田が「新基準バットになったことで、コーナーへしっかりと投げ分けができることができれば、抑えられるという自信があり、8回のピンチで連続三振に奪うことができたのはよかったです」と話せば、坂井も「回を追うごとに丁寧に投げることができた。新基準バットになったことで、今までファウルだったのが空振りになったりと、投げやすさは感じています」と振り返った。

熊本国府の山田監督は今大会最年少の31歳ながら、ベテラン名将の多賀監督率いる近江との接戦をものにした。山田監督は「9回まで決着がつかず、甲子園で戦う難しさを痛感した試合でしたが、このチームの強みである粘る強さを全国でも発揮できて良かったです」と笑みを浮かべた。

近江の西山は、169球目の暴投に泣いたが、西武に入団した近江OBの山田 陽翔投手を思い出させるようなキレのあるスライダーを武器に、三振の山を築いた。「14奪三振についてはスライダーをうまく使うことができた。しかし、球数が160球を超えたことは反省点です。先頭打者に四球を出すことが多かった。夏までの課題はスタミナ強化。暑くなって、もっと苦しくなるので、トレーニングや走り込みをして鍛えていきたい」。このセンバツの悔しさを胸に、夏に再び甲子園に戻ってくることを誓った。

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この記事の執筆者: 浦田 由紀夫

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