News

田辺、神宮王者・星稜に大健闘! 21世紀枠22連敗も「ここに帰ってきたい」

2024.03.18


田辺ナイン(写真は過去の取材より)

<第96回選抜高校野球大会:星稜4-2田辺>◇18日◇1回戦◇甲子園

21世紀枠で76年ぶりに出場の田辺(和歌山)が、昨年の明治神宮大会優勝の星稜(石川)と大接戦を演じた。最後の最後まで勝敗の行方が分からない緊迫したゲームの結末は、優勝候補に挙がる星稜に軍配が上がった。23年から指揮を執る山下 智将監督は甲子園初勝利となった。

前半は星稜が点を取れば、田辺が追いつく展開だった。2回に星稜が重盗で1点を先制すれば、3回に田辺が岡本 和樹内野手(3年)の適時打で同点に。4回には星稜が敵失で1点を先制すれば、4回に田辺がスクイズで再び同点に追いつく粘りを見せた。

その後、随所に両チームともに守備でファインプレーが飛び出し、開幕戦に続く延長戦も見え始めた9回に、星稜がついに勝ち越す。1死二、三塁から代打の東 汰生(3年)が右前へ2点適時打を放って2点を突き放した。

星稜は守っては先発の佐宗 翼投手(3年)から、戸田 慶星投手(2年)、 道本 想投手(2年)とつなぎ、田辺の追い上げを食い止めた。元日に起こった能登半島地震で被災した地元石川に勇気と希望を与えた。

佐宗は「力んでしまい、自分の投球ができなかった。田辺さんは智辯和歌山を破ったり、京都国際とも接戦しているチーム。侮れないと思っていましたが、予想以上に打てるチームでした」と自分の投球を振り返り「2度目の甲子園だが、甲子園のマウンドは、やはり独特。次の試合までに慣れていきたい」と次戦での好投を誓った。

一塁側アルプス席の大応援団にも後押しされた田辺ナインの奮闘は「勝利」に値するものだった。9回最後の攻撃も一打同点のチャンスを作り、最後まで勝利を諦めなかった。

先発した寺西 邦右投手(3年)は139球、8安打4失点(自責2)の完投。敗れはしたがインステップからの威力ある直球で星稜打線を最後まで苦しめた。「内角をついたり、直球を狙っているのをみて、変化球で外したり自分の投球ができた。夏へ向けて球数を少なくして抑えることができるようになりたい」と敗戦にも胸を張った。

また主将で二塁打を放った山本 結翔内野手(3年)は、多くの人に感謝の気持ちを口にした。

星稜相手に互角の戦いとなり勝負できて、良かったです。自分の力を出し切れたと思います。多くの田辺市民の方が応援にきてくれてとても力になりました。また、夏はまた(甲子園に)行きたい気持ちになりました。ここに帰ってこれるように頑張っていきたい」。

田辺が敗れ、21世紀枠での出場校の初戦は22連敗となった。それでも、甲子園のファンは大健闘の田辺ナインに温かい拍手をやめなかった。

<関連記事はこちら>
【第一試合レポート】センバツ開幕戦は八戸学院光星が延長タイブレーク制す!8年ぶりの初戦突破
◆【センバツ】優勝候補は健大高崎と広陵! 健大高崎は超強力打線&2年生2枚看板、広陵は経験豊富な右腕・高尾に「スーパーエース」の予感!
◆【トーナメント表】センバツ大会 組み合わせ
◆【センバツ組み合わせ】大阪桐蔭・報徳学園・作新学院・愛工大名電が同ブロックで潰し合い!
◆センバツに出場する23人の「高卒即プロ入り」が狙える逸材たち! 登場日、注目ポイントを徹底解説!
◆【一覧】センバツ注目選手リスト

この記事の執筆者: 浦田 由紀夫

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.21

名将・門馬監督率いる創志学園が3回戦で完敗…2連覇狙う履正社は快勝【近畿・中国実力校20日の試合結果】

2024.07.21

【東北地区ベスト8以上進出校 7・20】青森の決勝は3年前と同カード、岩手、山形でも続々と8強に名乗り【2024夏の甲子園】

2024.07.21

【関東地区ベスト8以上進出校 7・20】神奈川4強が決定、茨城、群馬、栃木、千葉、西東京、東東京で8強に続々名乗り【2024夏の甲子園】

2024.07.20

伊集院の好左腕・新藤、終盤力尽き、鹿児島実に惜敗【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.20

枕崎が1時間半遅れの試合でも集中力を発揮!堅守を発揮し、2年連続の8強!【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.20

【夏の逸材123人成績速報】198センチ左腕、世代屈指のスラッガー、大分の県立に現れた150キロ右腕などドラフト候補が大活躍!北海道NO.1左腕がプロ志望を表明

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」