News

【高校野球ベストシーン’23最終回・埼玉編】昌平と花咲徳栄の準決勝は、両チーム合わせ25安打の猛攻撃を見せた「ザ・打撃戦」

2024.01.24


上原堆我(花咲徳栄)

2024年が幕を開け、センバツの足音も聞こえはじめてきた。昨年、高校球界でもさまざまな印象的な出来事があった。都道府県ごとにベストシーンを思い出す企画は、埼玉で締めくくる。

【選手権埼玉大会準決勝・花咲徳栄vs.昌平】
これこそが「ザ・打撃戦」だった。昨年夏の埼玉県準決勝、花咲徳栄昌平の試合は、打撃が得意な両チームらしく、快音が響き渡る「打ち合い」だった。

昌平が1回に1点を先制すれば、花咲徳栄は2回に同点とする。その裏に昌平が2点を勝ち越すと、3回には花咲徳栄が1点を返す。互いに主導権を相手に渡すまいと、自慢のバットで得点を重ねた。

5回に花咲徳栄が3点を奪って逆転、7回にも1点を追加し、6対3とややリードを広げかけたが、7回裏に昌平が反撃。2点を返して1点差とする。9回も互いに1点ずつ取り合って、結局、7対6で花咲徳栄が勝利。最後まで試合の行方が読めない、ファンからすれば見ごたえのある打撃戦だった。

両チーム合わせて25安打。花咲徳栄は4回以外、すべて走者を出した。3回には石塚 裕惺内野手(2年)、9回には途中出場の上原 堆我投手(2年)が本塁打を放つなど、12安打で7得点。9回の上原の一発が効いて逃げ切った。

昌平も意地を見せた。3回を除いて毎回安打の13安打。スタメン中、8人が安打をマークして相手を苦しめた。

新チームが結成された22年秋から、昌平は埼玉県で無敗を誇ってきた。秋は浦和学院を決勝で下して優勝。23年春も、またも決勝で浦和学院を下して優勝していた。悲願の春夏通じて初の甲子園出場が期待されたが、埼玉県内初の1敗が最後の夏の準決勝だった。

新チームとなった23年秋、昌平花咲徳栄が再び対戦したのは県の決勝だった。そこでも再び、打撃戦の末に8対5で花咲徳栄が勝利している。この2チーム、今年の「因縁の対決」となる予感がする。(おわり)

<全国高校野球選手権埼玉大会:花咲徳栄7ー6昌平>◇2023年7月26日◇準決勝◇埼玉県営大宮公園野球場

花咲徳栄スタメン
(二)田中 辰空(3年)
(左)生田目 奏(2年)
(遊)石塚 裕惺(2年)
(三)小野 勝利(3年)※栃木ゴールデンブレーブス入団
(一)増田 空(3年)※拓殖大進学予定
(中)齊藤 海(3年)
(捕)柴田 樹(3年)
(投)木田 康介(3年)※日本体育大進学予定
(右)三上 武流(3年)

昌平スタメン
(右)甲斐 陸斗(3年)
(遊)金子 晄也(3年)※國学院大進学予定
(二)小林 驍汰(3年)※桜美林大進学予定
(捕)齋藤 陽貴(3年)※中央大進学予定
(左)菅沼 航平(3年)
(中)山根 大翔(2年)
(一)渡辺 暁斗(2年)
(三)櫻井 ユウヤ(1年)
(投)渡邊 俊輔(3年)

この記事の執筆者: 浦田 由紀夫

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.12

【春季新潟県大会】プロ注目右腕・茨木佑太が完封!元プロの芝草監督は素材、メンタル面も絶賛!

2024.05.12

プロ注目の200cm右腕・菊地ハルン(千葉学芸)がセンバツ出場校との交流戦でまさかの7失点…夏までの課題は?

2024.05.12

【春季京都大会】センバツベンチ外の西村がサヨナラ打!新戦力の台頭目立つ京都外大西が4強進出

2024.05.12

学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!

2024.05.12

【和歌山】智辯和歌山が和歌山東を破って2年ぶり優勝、中西が1失点完投<春季大会>

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在28地区が決定、長野では松商学園がノーシードに

2024.05.07

【鹿児島】神村学園は昨秋4強の鶴丸と初戦で対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.07

【山陰】益田東と米子松蔭、鳥取城北が石見智翠館と対戦<春季大会組み合わせ>

2024.05.07

【北海道】函館大有斗、武修館などが初戦を突破<春季全道大会支部予選>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>