【高校野球ベストシーン’23・山梨編】迫力満点だった東海大甲府の打撃、終盤の逆転劇でつかんだ夏甲子園
夏の甲子園を経験した益岡 潤平
2023年もあとわずか。ことしも高校球界ではさまざまな印象的な出来事があった。都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。
近年の山梨大会では山梨学院が強さを誇っているが、23年は春夏秋とすべて優勝チームが異なった。春季大会は、決勝で甲府工が山梨学院を延長12回のタイブレークの末に16対15で勝利。夏は東海大甲府が駿台甲府を6対2で破って優勝。新チームの秋は山梨学院が5対2で帝京三を破った。そのなかで、際立ったのは夏に優勝した東海大甲府。とにかく打ちまくった。
初戦の甲府一戦で10対0の6回コールド勝ちで発進し、3回戦も都留を10対3で破った。ここまではよくあるパターンではあるが、準々決勝からは終盤の打撃力が強力だった。
青洲との準々決勝。7回に6失点を喫するなど、7回を終え7対11と逆転を許したが、全く動じない。8回に1点を返すと9回には一気に3点を奪って土壇場で追いつく。延長10回裏には中俣 光陽捕手(3年)のサヨナラ満塁弾で勝負を決めた。
準決勝でも終盤の逆転劇を見せた。7対10と甲府工にリードされて迎えた8回に、兼松 実杜外野手(3年)の2打席連続となる本塁打などで一気に5得点。9回にも2点を奪って突き放した。
決勝は2対2で迎えた6回に4得点して優勝を飾った。この3試合で、17安打、19安打、13安打を放ち、打率.430を誇った。3試合で6本塁打が飛び出し、兼松が3本、中俣が2本、早坂 慶士内野手(3年)が1本の本塁打を放っている。
夏の甲子園では初戦で専大松戸(千葉)に5対7で敗れた。しかし、この試合でも6回に4連打などで3点を挙げるなど、11安打を放って大舞台でも打撃力を発揮した。メンバーの多くは大学への進学を予定。4年後の姿が楽しみである。
東海大甲府の山梨大会決勝スタメン
(左)小笠原 蛍(3年)※横浜商科大進学予定
(二)小日向 魁源(2年)
(中)兼松 実杜(3年)※東海大進学予定
(三)岡田 翔豪(2年)
(右)立石 怜久(3年)※東海大進学予定
(捕)中俣 光陽(3年)※東海大進学予定
(一)早坂 慶士(3年)※横浜商科大進学予定
(遊)益岡 潤平(2年)
(投)長崎 義仁(3年)