巨人、野茂、ドジャーブルーに新たな彩りを加える大谷、山本
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大谷翔平・山本由伸・前田健太
日本球界と大リーグの名門ドジャースの関係は深い。
1995年、紆余曲折に末にメジャーリーグでのプレーを希望する野茂英雄(近鉄)を受け入れたのはドジャースだった。村上雅則(南海)以来32シーズンぶり2人目の日本人メジャーリーガーの誕生である。野茂はその年13勝をマークし新人王を獲得。ドジャースの判断が正しかったことを日米の野球界に示した。
その後も、ドジャースはメジャーリーグを目指す窓口的な存在となった。石井一久(ヤクルト)、黒田博樹(広島)、前田健太(広島)らの大リーグ生活のスタートをサポートする。そして今年、大谷 翔平が移籍し、山本 由伸(オリックス)もその後を追うように入団を決めた。
ドジャースと日本プロ野球界との関係は選手のやりとりだけではない。1965年からV9を成し遂げた巨人の川上哲治監督は、「ドジャースの戦法」をチーム強化に取り入れた。そのため、いち早く現地で「ドジャースの戦法」学んだ牧野茂を招聘し、選手としての実績がないにもかかわらず参謀に据えた。巨人が輸入したドジャースの野球は、勝つ野球の礎になった。
「ドジャースの戦法」は一死三塁でライナーが飛んだ時、三塁走者は打球が野手の抜けた後にスタートを切るべしと説く。三塁走者が打球ともに飛び出して併殺になるという愚行を戒めている。さらにバント処理など、今では当たり前のフォーメーションを説明している。
ドジャースは、スプリンングキャンプに選手を派遣した巨人だけでなく中日など他球団にも門戸を開いた。山本昌(中日)はキャンプに参加して200勝投手になるきっかけをつかんだという。
大谷と山本のドジャースでの活躍が、ドジャースと日本球界の関係をさらに深めていく。ドジャーブルーは新たな彩りを加えていくことになる。
文=合馬 龍一郎