試合レポート

高校時代は「肘に不安があった」選手が大学準硬式で投手として大活躍! 最速138キロ右腕として全国で躍動!

2023.11.19


<第41回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会:全九州選抜4-4全中国選抜>◇18日◇予選リーグ◇マスカットスタジアム
全九州選抜は、決勝トーナメント進出に王手をかけて迎えた全中国選抜との一戦。試合は4対4の引き分けになったものの、大会規定によって予選突破。1勝1分で決勝トーナメントに駒を進めた。

2連勝とはならなかったが、先発・谷口源投手(九州大=2年)の活躍なくして、この結果はない。
6回までヒット1本も許さないノーヒットノーランペース。7回に初ヒットを許して崩れたものの、試合の主役になっていたのは間違いない。

前評判は高かった。秋の九州六大学準硬式野球リーグでは、最優秀防御率をはじめ複数タイトルを獲得。先日の甲子園大会には応募しなかったが、実力ならリーグ屈指の投手だ。

最速138キロを計測するストレートを軸に、ツーシームやスライダーを操る。特にツーシームが120キロ台の球速から鋭く沈んでいたこともあり、空振りを奪うシーンを多く見られた。谷口の投球を支える球種であることはすぐに分かった。

このツーシーム、覚えたのは大学準硬式に入ってから。しかも覚えてまだ3か月程度と日が浅い。
唐津東時代、最後の夏はエースナンバーを背負ったが、「肘に不安を抱えていた」と決して万全な状態ではなかった。九州大に進学しても改善されず、1年目は打者として活躍。ベストナインも2度受賞するほどの実力があった。

しかし、投手不足がチームとして課題になっていたことを受けて、「投手としてもチームに貢献したい」と一肌脱いだ。再び投手に転向。高校時代は変化球が覚えられなかった反省を踏まえて、打たせて取るためのツーシーム、さらに空振りを奪うためのスライダーの2球種に挑戦。友人にアドバイスをもらいながらも習得に成功。「良い感じに投げられています」と確かな手ごたえと自信をもって投げ込める武器となった。

肘についても、この秋は大きな問題はなく、ひとまず完走した。硬式球に比べて軽い準硬式だからこそ、継続できているのだろう。
3年生となる来年は、打者としても復帰予定。二刀流で大車輪の活躍が期待される。甲子園大会にも「来年開催されるなら挑戦したい」と意欲的だ。

大学準硬式で、再び投手として花を開かそうとしている谷口の活躍に注目したい。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.12

学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!

2024.05.12

【春季新潟県大会】プロ注目右腕・茨木佑太が完封!元プロの芝草監督は素材、メンタル面も絶賛!

2024.05.12

【春季京都大会】センバツベンチ外の西村がサヨナラ打!新戦力の台頭目立つ京都外大西が4強進出

2024.05.12

プロ注目の200cm右腕・菊地ハルン(千葉学芸)がセンバツ出場校との交流戦でまさかの7失点…夏までの課題は?

2024.05.12

【奈良】天理が決勝最多18得点で圧勝!13年ぶりに春の頂点に<春季大会>

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在28地区が決定、長野では松商学園がノーシードに

2024.05.07

【鹿児島】神村学園は昨秋4強の鶴丸と初戦で対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.07

【山陰】益田東と米子松蔭、鳥取城北が石見智翠館と対戦<春季大会組み合わせ>

2024.05.07

【北海道】函館大有斗、武修館などが初戦を突破<春季全道大会支部予選>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>