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関東一「過去3回連続初戦敗退」の雪辱なるか、投打にスキのないチームで「東京にもう一枠を」<明治神宮大会出場校紹介>

2023.11.11


今年、投打ともに厚い戦力で2015年以来、8年ぶりの都大会優勝を決めた関東一。2010年以降では4度目の神宮大会になるが、過去3回は初戦突破がない。今年は投打ともに人材が揃う総合力の高いチームだ。
一戦一戦力をつけて、攻守にスキのない野球で東京の頂点に立つ
一次予選戦績
1回戦 38-0 都立五商
代表決定戦 8-1 目黒日大
都大会戦績
1回戦  12-0 駒大高
2回戦  8-3 日体大荏原
3回戦  3-2 城西大城西
準々決勝 9-3 東海大菅生
準決勝  5-1 早稲田実
決勝 4-1 創価
夏の東東京大会は優勝候補でありながら、5回戦で敗退。そこから新チームになって立て直し、この秋も一戦一戦強くなっていった。秋季都大会の序盤は粗さもあったが、「うまくいかない時、我慢できるようになった」と米澤貴光監督が語るチームは、次第に本領を発揮するようになった。準々決勝以降は攻守にスキのない、関東一らしい野球で勝利を重ね、8年ぶり5回目の優勝を果たした。東京勢は7年前に早稲田実が準優勝して以来勝ち星がない。都大会の疲労が残った状態で明治神宮大会を迎え、結果を残すことができなかったが、今回は都大会と明治神宮大会で10日ほど間があるだけに、さらに磨きのかかったチームになるに違いない。

左の畠中、右の坂井の2本柱

投手陣は左の畠中 鉄心、右の坂井 遼の2本柱が安定している。畠中はチェンジアップ、カーブ、スライダーなどを駆使して緩急をつけた投球をする。球威はそれほどでもないが、変化球にキレがあり、三振を取れる投手だ。
坂井は最速145キロの速球で押していくタイプ。投球のテンポが良く、制球も安定している。
秋季都大会の準々決勝と準決勝は、変化球を中心に投球を組み立てる畠中が先発し、本格派の坂井につないだが、決勝戦では米澤監督が、気持ちの強さを評価して坂井が先発。速球だけでなく、カーブ、スライダーなどの変化球も駆使して、被安打5,失点1で完投して優勝に貢献した。
畠中も完投能力がある一方で、坂井との継投も可能で、投手起用の幅が広がった。また外野手の坂本 慎太郎は投手もこなし、生きのよい投球をする。

1番・飛田、2番・坂本を中心に、どの打順からでも得点できる層の暑さ

関東一といえば、オコエ 瑠偉(巨人)や大久保 翔太(新潟医療福祉大)など、1番・中堅手に多くの逸材がいた。今回の飛田 優悟関東一らしい俊足・好打の1番・中堅手だ。そして坂本 慎太郎との1,2番コンビは、大きな得点源になっている。3番の高橋 徹平は、東京の高校球界を代表する強打者。4番の越後 駿祐以下の打線も、どこからでも得点に絡む力がある。特に、俊足の7番・市川 歩が粘って出塁し、飛田、坂本の1,2番コンビで還すのは、関東一の得点パターンにもなっている。また一つ先の塁を目指す走塁のうまさは、関東一の伝統でもある。
守りは捕手の熊谷 俊乃介を中心にしっかりしている。特に坂本、飛田の左翼手と中堅手は守備範囲が広い。
爆発的な力はないものの、投攻走守の全てにおいてスキのない関東一らしいチームに仕上がりつつある。秋季都大会の優勝インタビューで「東京に(センバツの神宮)枠を一つ持ってこれるよう、もう一度強くなって神宮大会に臨みたい」と米澤監督も語っているだけに、大会での健闘を期待したい。
今大会の出場校の分析、神宮大会の日程もチェック↓↓
【11月15日開幕】明治神宮大会出場10校 戦力完全分析!「秋の高校野球日本一」はどこだ!?

この記事の執筆者: 大島 裕史

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