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DeNAの2017年ドラフト組では、2冠左腕・東&ドラ9位捕手・山本が活躍

2023.11.02


毎年行われるドラフト会議で、指名した全員が1軍で華々しい活躍をすることはない。複数人の主力が出てくることも、そう多くはない。レギュラーや先発ローテーション投手、勝ちパターンといった主力が、同一のドラフト会議から生まれたら、それは”大当たりドラフト”と言っても過言ではない。近年、各球団に大当たりドラフトはあったのだろうか。高校生と大学生社会人の分離ドラフトが終わった2008年以降のドラフトで振り返ってみたい。
今シーズン3位に入ったDeNAは、近年、大当たりと呼べるドラフトはなかった。筒香 嘉智外野手(横浜高出身)や牧 秀悟内野手(松本第一出身)に、今永 昇太投手(北筑出身)といった日本を代表する選手は生まれているものの、複数のレギュラークラスが誕生したドラフトは多くない。そのなかで目立つのが2017年のドラフト指名組だ。

今シーズンはドラフト1位の東 克樹投手(愛工大名電出身)が、圧倒的な投球を見せた。東はルーキーイヤーに11勝5敗、防御率2.45の好成績を残し新人王を受賞。エース候補としていきなりブレークしたが、その後は左肘の故障もあり、目立った成績を残すことはできず、昨シーズンも1勝6敗、防御率4.62と低迷した。しかし、今シーズンは16勝3敗、防御率1.98の成績。最多勝のタイトルに加え、勝率.842で最高勝率のタイトルも獲得し、チームの躍進に大きく貢献している。

ドラフト9位の山本 祐大捕手(京都翔英出身)もそのひとり。これまでは打撃が課題とされ、昨シーズンも17試合の出場で打率.103(29打数3安打)と振るわなかった。しかし今シーズンは主に東の先発試合でスタメン起用されると、チームの捕手では最多の71試合に出場。打率.277(173打数48安打)、3本塁打、16打点とキャリアハイの成績を残した。捕手併用制を敷いているチームではあるが、正捕手に最も近い存在だった。東がお立ち台に登ると決まって「祐大のおかげです」と言うことからも分かる通り、抜群の信頼感を誇っている。
ドラフト8位の楠本 泰史外野手(花咲徳栄出身)は1年目からコンスタントに1軍で出場。第4の外野手、そして代打の切り札的な役割で、ここ2年は連続して94試合に出場している。打席数が昨シーズンの327から今シーズンは176へと大幅に減少してしまった分を来シーズンは取り返したいところ。

育成ドラフト1位の中川 虎大投手(箕島高出身)は2年目のシーズン途中に支配下登録を勝ち取った。そこから登板試合数を少しずつ積み上げ、今シーズンは9試合に登板。勝利、セーブ、ホールドはまだないが、今シーズンは10.2回を投げ防御率2.53とキャリアハイの数字を残した。
ドラフト2位の神里 和樹外野手(糸満高出身)も2年目に規定打席に到達し、打率.279(427打数119安打)の成績を残すも以降は低迷。ここ3年連続で打率1割台と苦しんでいる。今シーズンは8月に手術を受けたこともあり、キャリアワーストの64試合出場にとどまった。来シーズンは復活を目指す年となる。ドラフト3位の阪口 皓亮北海出身)は今シーズン途中にヤクルトへと交換トレードで移籍した。

<2017年ドラフトにおけるDeNAの指名選手一覧>
1位:東 克樹愛工大名電ー立命館大)
2位:神里 和毅(糸満高ー中央大ー日本生命)
3位:阪口 皓亮北海
4位:斎藤 俊介(成田高ー立教大ーJX-ENEOS)
5位:桜井 周斗日大三
6位:寺田 光輝(伊勢高ー筑波大ーBC石川)
7位:宮本 秀明(秀岳館ーパナソニック)
8位:楠本 泰史花咲徳栄ー東北福祉大)
9位:山本 祐大京都翔英ーBC滋賀)
育1位:中川 虎大箕島

この記事の執筆者: 勝田 聡

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