横浜高の二遊間コンビ、オリ宮城を破った筑陽学園バッテリー……名門校「元チームメイト」が上位指名! ライバル関係はプロの世界でも続く!
計122人の指名があった今年度のドラフト。出身校を見ると横浜高は計4選手が指名を受け、続いて広陵、京都国際が3選手と名門校出身の選手が名を連ねた。なかでも、上位指名で目立ったのは高校時代の同級生が大学や社会人を経て同時にプロ入りを果たしたケースだ。
特に話題を呼んだのはDeNA1位の度会 隆輝内野手(ENEOS)と中日2位の津田 啓史内野手(三菱重工East)だ。横浜高時代に二遊間を組んだ両選手は、高校3年時にコロナ禍に見舞われた。アピールする場も限られる中、ともに社会人の名門でプロ入りを目指すこと選んだ。
津田は1年目から試合に出場し、都市対抗大会と社会人日本選手権大会の2大大会を経験。度会は2年目の都市対抗大会で史上初の3冠を手にするなど、互いにプロ入りへアピール。社会人野球で非凡な打撃センスを開花させた。結果として、度会は最初の入札で3球団競合の人気ぶり。津田も13番目の指名でドラ1級の評価を受けた。奇しくも同一リーグからの指名となり、3年間待ちわびたプロの世界で再開する日もそう遠くはないだろう。
横浜高出身の2選手と同じく、大学生も4年前の同僚が揃って上位指名を受けた。西舘 昂汰投手(専修大)と進藤 勇也捕手(上武大)は筑陽学園時代から注目されてきた。2年次秋の九州大会では、準々決勝で宮城 大弥投手(オリックス)擁する興南に勝利をあげ、最終学年では春夏連続甲子園出場を果たした名バッテリーだ。
西舘はストレートを最速152キロまで伸ばし、3年時に最優秀投手を獲得するなど大学でも躍進。東都リーグ2部ながら2年連続のドラ1誕生の快挙を成し遂げた。また進藤も持ち前の打撃が高く評価され、大学日本代表にも選出。世代NO.1捕手となり、大学の先輩にあたる古川 裕大捕手が待つ日本ハムから2位指名を受けた。
その他にも広島2位の高 太一投手(大阪商業大)とヤクルト3位の石原 勇輝投手(明治大)の両左腕も広陵時代の同期。在籍時は一足先にプロ入りを果たした河野 佳投手(広島)がエースだったが、それぞれの大学で進化を遂げた。高は馴染みのある広島、石原も六大学リーグで慣れ親しんだ神宮球場と、ともに縁のある球団での投球に注目だ。
高校時代から注目された選手たちが様々な経歴を経て入団するケースは少なくない。だがしかし、今年度のドラフトは例年以上に上位で同じ高校出身の選手が上位指名を受けた。数年前の注目選手たちが、時を経て、たしかな成長を遂げたことは、今年のドラフトの大きな特徴だろう。