Interview

甲子園で豪快2アーチの森田大翔(履正社)が語る「一年前からプロ志望届提出は決めていた」「大阪桐蔭への思い」〈ドラフト2023注目選手インタビュー〉

2023.10.22


今夏の甲子園で名を上げた右のスラッガーといえば、履正社(大阪)の森田 大翔内野手(3年)だろう。2試合連続で本塁打を放ち、侍ジャパンU-18代表にも選出された。
プロ志望届を提出している高校通算34本塁打の強打者に、3年間での成長や現在の心境などについて迫った。

小さいころから「履正社志望」

小学2年生で野球を始めた森田は、6年生の時にオリックス・バファローズジュニアに選ばれている。当時のメンバーには後に大阪桐蔭(大阪)のエースとしてライバルになる前田 悠伍投手(3年)がいた。「真っすぐのキレは周りと違っていたので、凄いなと思っていました」と当時から実力を発揮していたようだ。

中学では豊中シニアに所属。通算で20本塁打以上を記録する強打者として活躍していた。
高校は地元の豊中市に校舎を構える履正社に進学。同校を志望したのは叔父が履正社OBだった影響もあったという。
「小さい時から練習を見させてもらって、良いなと思っていました。小さい時から履正社に行きたいと思っていて、2019年夏に甲子園で優勝した代を見て、より行きたいと強く思うようになりました」

希望通りに履正社に進学したが、「高校の先輩は体が全然違って、その部分で一番衝撃を受けました。自分もゆくゆくはそうなっていかないといけないなと強く思いました」と先輩の体つきに衝撃を受ける。それでも競争を勝ち抜き、1年秋にはベンチ入りを果たした。
しかし、2年生になると、春、夏と続けてベンチ入りを逃してしまう。「このままやっていても自分の代でも出られないかもしれない」と危機感が生まれた。
そこで取り組んだのが柔軟性の強化。「色んな球に対しての対応であったり、確実性が増してきたので、そこは良かったかなと思います」と以前に比べて打撃の対応力が増した。

秋にはクリーンアップに定着し、公式戦10試合で打率.563、4本塁打、20打点の大活躍。チームのセンバツ出場に大きく貢献した。
2年夏までの高校通算本塁打はわずか5本で、34本の大半を最後の1年で稼いだことになる。努力が結果として表れたことは本人の中でも自信になったようだ。
「日頃の練習もそうですけど、日頃の家での生活や時間の使い方を見直して考えてやった結果だと思います。だいぶバッティングに関してはつかめたものがありました」

「相手のスキをついて」大阪桐蔭に勝利

確かな手応えを持って今春のセンバツに挑んだが、チームは初戦敗退。森田自身も4打数1安打と実力を発揮したとは言い難い結果だった。
「冬を明けてから夏前くらいまでくらいは個人としても良い結果が出ず、センバツも個人としてもチームとしても全然良くなかった」と振り返る。憧れの甲子園でプレーできた喜びよりも、思うような結果を出せなかった悔しさの方が勝っていた。

春の府大会も4回戦で敗れ、状況はなかなか好転しない。それでも夏には本来の強さを取り戻して勝ち進み、決勝で大阪桐蔭と対戦することになった。
大阪桐蔭には入学以来、1度も勝てていなかったが、「思い切って自分たちらしくプレーしよう」とチーム内で声を掛け合い、ひるむことなく戦った。

「良い雰囲気でできたと思います」と振り返るように、先発した福田 幸之介投手(3年)の好投もあって、序盤から試合を優位に進める。相手エースの前田に対して4回まで3得点。森田も1安打を放ち、勝利に貢献した。
「相手の隙をついていくことは、練習試合から意識してやっていたので、その結果が出たかなと思います。結果的にはもらった点数もあると思うんですけど、もらえたということは、自分たちの雰囲気が良かったかなと思っています」と勝因を語る森田。最強のライバル相手に力を発揮して、ついに勝利をつかむことができた。

甲子園で放った「完璧な一発」

大阪大会7試合で打率.571、3本塁打、15打点と大当たりだった森田は甲子園でも打棒を見せつける。
1回戦の鳥取商(鳥取)戦では夏の甲子園初打席となった1回表の1死一、二塁から内角の直球を「窮屈に打った」と言いながらも左翼席に先制の3ラン本塁打を放った。
さらに2回戦の高知中央(高知)戦では2対0とリードした3回の1死から、甘く入った直球を「完璧だったと思います」と左中間スタンドに放り込み、2試合連続の本塁打となった。3回戦の仙台育英(宮城)では無安打に終わり、チームも敗れたが、全体を通して収穫のある大会だったと話す。

「試合展開的にも1点が欲しい場面や先制の場面で打てたので、それは良かったかなと思います。意識を変えてから『やってきた』という自信はついていたので、思い切って後はプレーするというところで、結果が出たことは良かったかなと思います。最後はノーヒットで終わったのは悔しいですけど、次に繋がるかなと思います」

木製バットへの対応もできている

甲子園での活躍が認められ、森田は侍ジャパンU-18代表に選出。U-18では木製バットを使用するが、履正社は日頃の打撃練習から木製バットを使用しており、その点に関してアドバンテージはある。
「金属バットだけだと金属打ちになって、木製バットになった時に飛ばないこともあると思いますけど、その違いのギャップには大きく差はないかなと感じます」と森田自身も木製バットでも違和感なく打てているようだ。

取材日もフリー打撃で鋭い当たりを連発。木製バットを使い慣れている様子を感じさせた。しかし、大学代表との壮行試合やU-18W杯では周囲のレベルの高さを実感。U-18W杯では打率.278とまずまずの結果を残したが、本人の中では満足いかなかったようだ。
「大学代表とやらせてもらって、ピッチャーのレベルの違いを見せつけられました。W杯でも自分の思ったような結果は出せず、まだまだこれからやらないといけないことはたくさんあると実感した大会でした」

上には上がいることを実感した森田は帰国後にプロ志望届を提出。「去年の冬にはもう決めていました」と早くからプロ志望を明確にしていたようだ。
プロ入りを目指す中で今夏は良いアピールができたのは間違いない。「自分ができることはできたと思う」と森田自身も手応えを感じている。
現在はフィジカル強化に力を入れており、プロで戦うための体づくりに励んでいる。

「率を残せて長打も打てるバッターになりたいです」と将来の目標を語る森田。26日に行われるドラフト会議で彼の名前は呼ばれるだろうか。
取材・文=馬場 遼
*「2023年ドラフト会議 注目選手リスト」はこちらから

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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