【仙台六大学】1回戦 東北大 vs 東北工業大

東北大、投手戦制しAクラス入りへ望み 原口和弥の今秋20打席目初安打が決勝打に
東北大が白熱した投手戦を制し、Aクラス(3位以内)入りへ望みをつないだ。0対0の7回、2死一、二塁の好機をつくると、7番・原口 和弥内野手(3年=県立浦和)が左中間を破る2点適時二塁打を放ち先制する。投げては先発・佐藤 昴投手(2年=仙台一)が9回4安打無失点でリーグ戦初となる完封勝利を挙げ、リードを守り切った。
7回、東北大は2死から5番・大澤 亮捕手(4年=秩父)の二塁打と6番・小林 厳捕手(4年=江戸川学園取手)の四球で一、二塁とする。続いて打席に入った原口は、試合前まで開幕から17打席連続無安打。この日の第1、2打席も凡退していた。「『ここしか点を取るところがない』というくらいのチャンスで回ってきた。今まで凡退した分、ここで打ってやる」。2ボール2ストライクから投じられた低めの直球をうまく捉え、これが殊勲打に。二塁塁上で笑顔がはじけた。
開幕から快音が聞かれず、「しんどかった」。それでも先輩たちから「打てていないことは気にするな」「前の打席のことは引きずらずに、フレッシュな気持ちで打席に入ろう」と声をかけられ、前を向き続けることができた。今秋20打席目で飛び出した待望の一本は、一本以上の価値のある安打になった。
相手先発・後藤 佑輔投手(3年=仙台育英)は東北大にとっての“天敵”。今春は2度対戦し、完投負けと完封負けを喫していた。
今秋ここまで2完投の佐藤は「1点勝負になる」ことを見込んだ上で、「内容よりも最後まで0で抑えること、相手投手より長く投げること」を目標に設定し、2週間の練習に取り組んできた。カットボールやカーブなどの変化球が冴え、持ち前の制球力も光って圧巻の完封。入念な後藤対策をして臨んだ野手陣を奮起させる、有言実行の投球だった。
「僕らは勝つしかない」(原口)、「明日も負けられない」(佐藤)。目標であるAクラス入りへ向け、東北大は連勝での勝ち点獲得が必須となる。先勝した勢いそのままに白星をつかみにいく。
(取材=川浪康太郎)