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この1年で高校生トップレベルの左腕に!横浜のエース・杉山遥希の完成形は今永昇太か

2023.10.07


今年の高校生左腕は年明けから前田 悠伍投手(大阪桐蔭)、東松 快征投手(享栄)が2トップとして扱われてきた。彼らに続く投手として、いろんな投手が台頭してきたが、その一人が杉山 遙希投手(横浜)である。

高校1年夏から甲子園出場。名門・横浜らしい完成度が非常に高い左腕投手として注目されてきた。最後の夏にかけて、課題だった球速・球威面でもアピールして、高校生トップレベルの左腕へ成長し、プロ志望届を提出した。この1年の成長の軌跡を振り返っていきたい。

2年生までは常時135キロ前後だったのが、3年春では140キロ前後までスピードアップ。杉山のストレートの回転数は2500ほどといわれており、並の140キロのストレートを投げる投手と比較してもストレートの勢いが違う。しっかりと押し込む投球ができている。この夏は常時140キロ前半、最速147キロまでスピードアップ。高校生左腕としてもトップレベルの投手へ成長した。

変化球は120キロ後半のスライダー、120キロ中盤のチェンジアップ、100キロ台の縦割れのカーブを投げる。どちらも高い精度を誇り、チェンジアップはなかなかミートができない。1球1球のボールの精度は文句なしで、安定してストライクが取れるのも魅力だ。

投球面では申し分ない杉山は、さらに名門・横浜で鍛えられたフィールディング、牽制も素晴らしく、バタバタするところを見たことがない。NPBの世界ではフィールディングや連携プレーに苦しんで自分の持ち味を出せない例もあるが、杉山はすぐに順応できるレベル。なおかつ投球のレベルも高いので、早めに実戦投入もあるのではないだろうか。

投球フォームも実に完成度が高く、ノーワインドアップから始動し、高々と右足を上げながらも、バランス良く立つことができている。お尻から先行して体重移動を行うヒップファーストができており、着地するときに軸足にしっかりと体重を乗せることもできている。テークバックの動きも内回りの旋回から胸を張ってトップを作り、リリースに入る。上半身、下半身が連動した投球フォーム。完成度の高い投球を実現している。

今年の高校生左腕では、前田、東松に次ぐ投手になったのではないだろうか。名門で鍛えられた技術、メンタルの強さも魅力で、高校生左腕の獲得を検討している球団にとっては、魅力的な選手ではないだろうか。順位的には3位から5位まではありそうな投手だ。

将来的にはDeNAの今永 昇太投手のような完成度の高い投球フォームで並外れた切れのあるストレート、変化球で三振を奪える本格派左腕へ成長しそうだ。

【選手名鑑はこちら】

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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