試合レポート

【東京】1回戦 東海大菅生 vs 多摩大聖ヶ丘

2023.09.04


東海大菅生・上原慎之輔

東海大菅生が6回コールド発進!上原は奪三振10で参考ながら完全試合達成

<秋季東京都高校野球大会1次予選:東海大菅生10-0多摩大聖ヶ丘(6回コールド)>◇3日◇1回戦◇東海大菅生グラウンド

1月に体罰により解任された若林弘泰監督が、この秋から、監督として戻ってきた。まず「お騒がせしました」と語る若林監督は、「選手に迷惑をかけてしまいました。一緒にできる喜びはあります」と語った。

公式戦の復帰第1戦となった多摩大聖ヶ丘戦は、東海大菅生の強さを見せつける試合になった。東海大菅生の先発は背番号14の左腕の上原 慎之輔投手(1年)。夏の大会はベンチ入りできなかったものの、春季大会が終わったくらいからAチームに帯同していた期待の1年生だ。上原は、1回を3者連続三振。2回を2奪三振。3回はまた3者連続三振と快調な立ち上がりだった。

上原は、最速は130キロ台の半ば。「今日はスライダーが良かったです」という。多摩大聖ヶ丘は先発に左打者が5人並ぶ。左対左は投手有利とは言うものの、左投手は左打者に投げづらいという側面もある。ボールが先行することもあったが、強気の投球で打者を仕留める。Aチームと帯同する中で、エースの日當 直喜投手(3年)から「打てるものなら打ってみろ」というエースの意気込みを学んだ。5回は、奪三振はなかったものの、依然として1人の走者も出さなかった。

多摩大聖ヶ丘は、決して力のないチームではない。1回、東海大菅生では、3番・高西 航輝内野手(2年)の安打性の打球を多摩大聖ヶ丘の右翼手・内田 陽介外野手(2年)が好捕するなど、鍛えられていることを感じさせた。しかし今年も東海大菅生は、若林監督が「野手は競争がし烈です」と言うほどレベルが高い。

2回、東海大菅生は、1死一、二塁から7番・大島 健真内野手(2年)の左前安打で1点を先制したのに続き、9番・上原の二塁打で2点を追加する。3回も3番・高西の二塁打などで2点を追加し、4回も1点を追加。5回は多摩大聖ヶ丘の好守備もあり得点できず、5回を終わって東海大菅生が6対0でリードする展開。

6回の多摩大聖ヶ丘の攻撃でも、上原は3者凡退に抑え、ここまでパーフェクトの状況が続く。6回、東海大菅生は、1死一塁で上原に打順が回ってくると、代打を告げる。この回で試合が終わらなければ、上原の完全試合は達成できなくなる。代打の竹澤 侑来捕手(2年)は四球で出塁し、2番・原田 悠太郎外野手(2年)の二塁打で1点。3番・高西の右前安打で2人が還り、4番・阪野 拓海内野手(2年)の二塁打でこの回の4点目が入り、10対0。東海大菅生が6回コールドで勝利すると同時に、参考記録ながら上原の完全試合が達成された。

上原は公式戦初先発であったが、「冷静に投げることができました」と言う。6回を投げて奪三振10。投球数は81。また伊藤 望幸捕手(2年)もリードや捕球が安定している。まだ1試合だけなので評価は早いが、大会連覇を目指す東海大菅生は。今年も強いと感じさせる一戦であった。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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