大宮東に大型左腕現る! オリックス・田嶋を彷彿とさせる快投!<埼玉東西南北交流戦>
富士大和投手(大宮東)
11月4日、埼玉高野連主催の東西南北の各地区25名(1校につき1名)の選抜チームを結成した交流戦がレジデンシャルスタジアム大宮 (さいたま市営大宮球場)で開催された。
まず第1試合は西部選抜と東部選抜の一戦。試合は5対4で西部地区が勝利を収めた。接戦となったこの試合は7回表に西部選抜は好左腕・西川 歩投手(山村学園)が最速137キロのストレートを武器に3回無失点に抑える完璧なリリーフ。敗れた東部選抜は145キロ右腕・上原 唯我投手(花咲徳栄)が8回裏に登板し、140キロのストレートで1回無失点に抑える好投を見せた。
第2試合は、南部選抜vs北部選抜の対戦。南部選抜の先発は冨士 大和投手(大宮東)。今年の埼玉を代表する大型左腕・冨士は3回5奪三振の好投を見せた。
最速140キロのストレートは切れ味抜群で、身長184センチと長身で、さらに手足も非常に長いのが特徴だ。投球フォームはオリックス・田嶋 大樹投手(佐野日大)と似ていて、若干サイド気味。肩関節が非常に柔らかく、リリース時に急に腕が出てくる投げ方ができるのはまさに天性。
球質が非常に良く、回転数の高いストレートは打者の手元でぐっと伸びていくので、打者は全く捉えることができない。冨士は「今日は良い調子で投げることができました」と笑顔を見せた。北部選抜の先発は中村 謙吾投手(熊谷商)。中学時代は冨士とともに軟式の選抜チームに選ばれた143キロ右腕である。中村も常時135キロ〜140キロの威力あるストレート、120キロ前半のスライダーのコンビネーションで、3回1失点の力投。その後、南部選抜打線が北部選抜の投手陣を捉え、9対1で勝利。それまで1点に抑えていた中村の力量が優れていたのかが分かる。
また、南部選抜は故障から復帰した速球派右腕・大竹 悠太投手(西武台)が8回から登板。1点を失ったが、常時130キロ後半の速球は威力十分で、最速140キロをたびたび計測。120キロ前半のスライダーの切れもよく、来春までどんな進化をしているのか楽しみな逸材だった。それぞれの地区を代表する投手が登板し、見応えのある交流戦だった。この試合をきっかけにどれだけ選手が伸びるのか、期待したい。