試合レポート

【四国】準決勝 阿南光 vs 鳴門

2023.11.05


吉岡暖(阿南光)※写真は過去の取材より

【四国】阿南光、鳴門へのリベンジ果たし、32年ぶりセンバツへ前進!〈秋季大会〉

〈第76回秋季四国地区高校野球大会:阿南光6ー3鳴門〉♢4日♢準決勝♢オロナミンC球場
2024年3月18日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する「第96回選抜高校野球大会」(以下センバツ)の四国地区一般出場枠「2」を決する重要な参考資料となる「第76回秋季四国地区高校野球大会」(以下、秋季四国大会)は4日、大一番となる準決勝が行われた。第2試合では、丸亀城西(香川2位)、松山商(愛媛1位)を破った徳島3位・阿南光と、準々決勝で高知2位・高知商を下した徳島1位・鳴門が対戦した。
両者は秋季徳島県大会準決勝で対戦し、壮絶な打撃戦の末に9回裏2死から鳴門が7対6で逆転サヨナラ勝ち。因縁の再戦ともいえるこの試合も、序盤は2回に阿南光が4点を先制すると、3回にすかさず鳴門も3点を返す激しい攻防戦となった。
中盤は一転、両先発が好投する。鳴門の最速141キロ右腕・大門 遼平投手(1年)が73キロ超スローカーブから138キロ直球まで、実に65キロの球速差を巧みに使い要所を締めると、阿南光のプロ注目最速146キロ右腕・吉岡 暖投手(2年)も「4回以降はより変化球の割合を多くした」と、130キロ前後のスライダー、スプリット、ツーシームに110キロ台のカーブを配し、鳴門打線の打つ気をそらすことに成功した。

そして試合を大きく動かす次の1点を奪ったのは阿南光の左スラッガーであった。7回、先頭打者の3番・福田 修盛外野手(2年)はNPB9球団スカウトがつめかける中、大門が投じた2球目内角高めの直球を一閃。「打った瞬間手ごたえがあった」(福田)打球は弧を描いて右翼芝生席奥のネットに直撃した。高校通算17本目のソロアーチは、阿南光に再び勢いを与える貴重な1点ともなった。
8回にもバント安打2本を絡めダメ押し点を奪った阿南光は、吉岡の3試合連続となる114球6安打8奪三振完投もあり、6対3で鳴門に快勝。見事、県大会準決勝のリベンジを果たすと同時に、新野時代の1991年以来の秋季四国大会決勝進出。32年ぶり2回目のセンバツ出場へ大きく前進した。
「県大会準決勝での敗戦を次につながるようにして、次は打ち勝つという気持ちでやってきた」と試合後、最初は声を詰まらせ話した阿南光・髙橋 徳監督。だが、最後には高知との決勝戦についてこう話した。「春の四国大会で対戦した時のリベンジもあるので、気持ちを切り替えて戦いたいです」
あくまでも目指すは初の秋四国王者と明治神宮大会出場。全国制覇経験も持つ高知が相手でも、彼らのチャレンジャー精神は全くゆるぎない。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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