【愛知県】決勝 豊橋中央 vs 豊川

豊川が豊橋中央を1点差で振り切って、東三河地区1位
<秋季高校野球愛知県大会東三河地区予選2次トーナメント:豊川3-2豊橋中央>◇21日◇決勝◇豊橋
20校が参加している今年の秋季愛知県大会東三河地区予選。まずは、5校ずつが4つのブロックに分かれてリーグ戦を行う。そして、各ブロック1位校は県大会と全三河大会への出場が決まり、2位校と3位校は8校の2次トーナメントで1つ勝てば全三河出場。2つ勝てば県大会進出ということになる。
そして、1位校4校は県大会のシード権をかけての決勝トーナメントということになる。この秋は、豊橋中央、桜丘、豊川、豊川工科の4校で争うことになった。先の準決勝では、豊橋中央が桜丘に、豊川が豊川工科に、ともにコールドゲームで勝利しての決勝進出ということになった。どちらも、1次リーグでは危なげなく勝ちを重ねてきており、現状の東三河地区では抜けた実力校と言っていいであろうか。
この日の試合は、豊橋中央はエースナンバーの前島投手、豊川は背番号19の鈴木 爽太投手が先発。豊川の長谷川裕記監督によると、「誰がエースとは言い切れないのだけれども、一応投げられる投手は6人ベンチに入れている」という中から、「右投手だとつかまる危険性があるので、一か八かの思いで左の先発起用だった」ということだが、その鈴木投手が立ち上がりこそ、ちょっとバタついたものの、2回以降は走者こそ、出す機会も多かったけれども、大事なところではしっかりと踏ん張って本塁を踏ませなかった。
豊橋中央の萩本将光監督も、「初回は行けるかなというところだったんですけれども、走者は出てもあと1本が出ないんですよ。すっかり、相手のペースにハメられてしまった」と残念がっていた。
初回、豊橋中央は先頭の高安が中前安打。四球とバントで1死二、三塁としたところで、4番は倒れたが、5番・松井が中前適時打で三塁走者をかえして先制。さらに、続く近藤も三塁強襲の安打を放ち、この回2点を奪った。その裏、前島投手は1死後に連打を浴びるが、ライナー併殺で切り抜ける。こうして、豊橋中央としては、非常にいい試合の入りだったと言っていいものだった。
早い回で追いつきたい豊川は2回、豊橋中央の守りに相次いでミスが重なったところに乗じて、1点を返す。さらに3回には、1死から高橋の一、二塁間を破る安打と四球後、4番・中西の左前安打で満塁として、中村の中犠飛で同点とする。さらに、鈴木 貫太の中前適時打で逆転した。豊川としては、思惑以上に早い回で追いつきひっくり返せたことになった。
4回から、豊橋中央のマウンドには、1年生の髙橋 大喜地投手が上がったが、力のある球を投げ込んでいっていて、将来性を感じさせた。豊川打線も、なかなか攻略しきれないで、4~8回までの5イニングでは安打2本。得点することはできなかった。
そして、髙橋投手が何とか踏ん張って投げている間に追いつきたい豊橋中央ではあったが、チャンスはあったものの、鈴木投手の粘りの投球にあと1つ、攻略しきれなかった。萩本監督としても、まさに、歯がゆい展開で、そのまま9回まで行ってしまった。その9回も四球と安打で一、二塁としたが、そこまでで鈴木投手に抑えられた。豊橋中央は、攻めながらも2回以降は、最後まであと1本が出なかった。
豊川の長谷川監督は、「今大会を通じて言えば、う~~ん(苦笑)。何がよかったということはなくて、まだまだ課題だらけなんですけれども、こうして結果が出たことかなあ。選手たちが、少しずつ、野球を覚えていってくれて、ここでは何をしたらいいのか、どうしていくのかということが判断できるようになったことだと思います」と、東三河1位とはいえ、県大会では壁が多いので、あと2、3週間、もう1度、課題を整理していかなくてはいけないという思いのようだ。
豊橋中央の萩本監督は、「前のチームは、本当にいい子ばっかりだったんですが、チームとしてもおとなしくてね。それに比べると、今度のチームは、やんちゃというか、元気のいいのが多いので、何かやって行けそうかなという期待感はあります。自分としても、どちらかというと、そういう選手たちを鍛えていくのが好きなんですよ」と、今大会、東三河地区では2位ということになったが、これから県大会、さらには全三河大会と控え、来年へ向けても、チームづくりの手ごたえは感じているようだった。