【甲子園】2回戦 徳島商 vs 智辯学園
松本大輝(智辯学園)
強力打線・智辯学園はいかにして徳島商の149キロ右腕を攻略したのか?
<第105回全国高校野球選手権記念大会:智辯学園12ー6徳島商>◇13日◇2回戦◇甲子園
智辯学園(奈良)は徳島商(徳島)の森 煌誠投手(3年)をどう攻略するか注目されたこの試合。結果は森から18安打12得点をマークした。
この日、森は最速146キロをマークし、スプリットの精度も悪くなかったが、智辯学園は対策をしてしっかりと攻略した。選手たちのレベルの高さが分かる。この試合前までにマシンを速く設定し、それを打ち返すだけではなく、ボールを見極める練習を行った。
突破口を切り開いたのは1番・松本 大輝外野手(3年)。1回戦の英明戦(香川)では無安打に終わった松本は「ボール球に手を出していたので、ボール球に手を出さないようにみるゾーンを上げて打席に入っていました」と決めた第1打席。執念の内野安打で今大会初安打を記録する。第1打席でのヒット。これこそ松本が求めていた結果だった。
「ヒットが打てば、変わってくると思うので、第1打席で絶対に打ちたいと思っていました。それがでてよかったです」
手応えをつかんだ後の3回の第2打席。甘く入った変化球を逃さず、右前安打。これで2打数2安打。智辯学園は0対3とリードを許していたが、期待の主砲の一打に智辯学園は追い上げムードになっていた。
そして3番・中山 優月内野手(3年)が2点適時打。打ったのは高めに浮いたスプリットだった。その後、智辯学園は同点から逆転に成功した。
智辯学園の選手は基本的には直球待ち。低めの変化球を捨てて、浮いてきた変化球を捉えるというものだった。松本は「森くんは確かに速かったですし、内外角の投げ分けもしっかりしていました。自分の場合は振り遅れないように意識しました。自分の場合は、変化球にも対応できるように、足を上げたあと、間を作ることを意識して打席に入っています」と語る。
中山は「低めは捨てて、高めに浮いてきた球を反応で打ち返します」と、狙い通りの浮いてきた球を打ち返した。
どの選手も直球待ちで、低めを逃さず打ち返すことにこだわった。
そして高良 鷹二郎捕手(3年)は「しっかり捉えるために、線で球を捉えるイメージで打席に立つことを意識しています」と語る。
勝負強さを培うために、「1球打ち」という練習をこなしてきた。普段の打撃練習で最後の1球だけ、選手が場面を設定して、打ち返す。基本的に走者を置いた状況を設定することで、勝負強さを養ってきた。甲子園の好投手・森との対戦で、練習で培ってきたものを最大限に発揮した。
ただ、7失策した守備に課題が出た。甲子園に入ってから、選手たちは一つ一つ課題を克服している姿を見ると、3回戦での戦いも期待が持てる。