草津vs信楽・愛知・長浜農

草津がノーノ―リレーで5回コールド勝ち

＜第105回全国高校野球選手権滋賀大会：草津11ー0信楽・愛知・長浜農（5回コールド）＞◇11日◇1回戦◇マイネットスタジアム皇子山

　草津が5回コールド勝ちで初戦を突破した。

　1回から打線が爆発。1死二、三塁から4番・佐山 一希（2年）の一塁強襲の適時内野安打に相手の失策が重なり2点を先制する。さらに2点を加えた後、2死二、三塁から9番・佐山 魁聖（3年）が左越えの長打を放つと、50メートル走で6秒1というチーム一の俊足を飛ばして一気に生還。3点ランニング本塁打となり、リードを7点に広げた。

　守りでは「県を代表する投手になってほしい」と平野裕介監督が期待を寄せる最速134キロ右腕の増山 史投手（2年）が好投を見せる。130キロ前後の直球や決め球のフォークを武器に4回を投げて7奪三振で無安打と圧巻の内容。しかし、途中で足が攣るなど本調子ではなく、「スライダーが浮いて四球も多かった（3四球）ので、自分の思い描いているピッチングができなかったです」と反省しきりだった。

　草津は2回以降も小刻みに得点を重ねると、5回に登板した湯浅 勇斗投手（3年）も三者凡退に抑え、5回参考ながら無安打無得点リレーで11対0の5回コールド勝ちを収めた。

　敗れた「信楽・愛知・長浜農」は信楽8人、愛知6人、長浜農2人で出場。長浜農の選手は2人とも3年生であり、彼らが引退すると、部員は1年生のマネージャー1人だけになってしまう。この秋は大会に出場できないことが確実だが、連合チームでも主将を務めた上田 颯琉（3年）は「来年の春から部員が入って、また活性した長浜農を作ってもらいたいです」と未来の後輩に思いを託した。

　中学生までサッカーをしていた上田は高校野球への憧れがあり、高校で野球を始めたという。それでも年々上達して今大会では3番捕手を任されるまでに成長。初心者でもチームの中心選手として活躍できることを証明してみせた。彼の姿を見て、高校から野球を始めたいと思う選手が1人でも増えることを願うばかりだ。

取材＝馬場 遼