名経大高蔵vs知多翔洋
名経大高蔵が、初回のビッグイニングでの得点を維持して逃げ切る
＜第105回全国高校野球選手権愛知大会：名経大高蔵5ー2知多翔洋＞◇16日◇3回戦◇刈谷
継続試合となった桜台との試合を逆転で制して3回戦に進出を果たした知多翔洋。ここまで勢いよく勝ち上がってきた名経大高蔵に挑むという形になった。
名経大高蔵は初回、いくらかラッキーもあって4点を奪った。
先頭の伊藤 大翔外野手（3年）がまず安打で出ると、続く山田 大夢内野手（2年）も三遊間を破って一、二塁。知多翔洋の先発・横山 夕峻投手（2年）に襲い掛かる。1死後、4番・成田 真史朗内野手（3年）が左中間二塁打を放ってまず2点。さらに三盗と四球後に暴投で三塁走者が生還。6番・小島 脩杜内野手（2年）も左前安打を放って1死一、三塁。ここで、今度は一塁走者が盗塁を仕掛け二塁への送球がややそれる間に、三塁走者がかえって4点目となった。
この4点で、名経大高蔵の中屋 凱翔投手（3年）は落ち着いて投げられたようで、初回に強襲安打を浴びたものの、2回以降は7回まで無安打。気がついたら13三振を奪っていた。そして、3回には失策を足場に好機を作り、中屋自身の安打で追加点を挙げていた。
そんな展開で、名経大高蔵の流れの試合となっていった。しかし、その直後に知多翔洋は3番一塁手として先発出場していた背番号1の濱島 巧投手（3年）が3人目としてマウンドに立った。濱島は気持ちのこもった投球で、馬力もあって、その後の名経大高蔵打線を抑えていく。
4回から8回は白熱の投手戦という感じで、お互いに三振を奪っていく力投で見ごたえのある投手戦という展開になっていった。結局、知多翔洋の濱島はリリーフ後の5.2回を無安打に抑えた。
そして、その力投に何とか報いたい知多翔洋は、9回からマウンドに上った名経大高蔵3人目の堀川 優人投手（3年）に対して、先頭の4番・野上 真広捕手（2年）が左越え二塁打。その後、四死球で満塁となり、1死から内野ゴロで1点が入る。さらに、失策もあって、知多翔洋は2点目も加えて食い下がったがここまで。最後は、名経大高蔵の堀川が踏ん張った形になった。
名経大高蔵の麻王健之郎監督は、「相手は、逆転逆転できているチームでもあり、勢いはあるとは思っていました。そういう相手に、立ち上がりで点を取れたのはよかった。ただ、最初から濱島君が来ていたら、また違った展開になったかもしれない。強いチームは、こういう展開になった時には、あと2点をしっかりとってコールドゲームとしていかれるのでしょうけれども、そこはチームとしてはまだまだというところかもしれません」と、謙虚に振り返っていた。
3年生が3人しかいないという知多翔洋としては、そんな中の1人、濱島の気持ちの入った力投は見事だった。結果的には敗れたものの、多くの2年生、1年生が入ってきており、山本夏輝監督としても、この秋以降の新チームの中盤の戦いぶりも期待できるのではないかという期待感はありそうだ。
取材＝手束 仁
