試合レポート

樟南二vs指宿

2023.07.10


樟南二2点目・辰濱三塁打

自ら崩れず、価値ある夏2勝目・樟南二

<第105回全国高校野球選手権鹿児島大会:樟南二3-1指宿>◇10日◇2回戦◇鴨池市民

樟南二牧園 剛弥(2年)、指宿・濵田 一光主将(2年)、両右腕エースの好投などで7回まで両者無得点と1点を争う緊迫した好ゲームとなった。

牧園は7回1死まで無安打に抑え、つけいるスキを与えなかった。

8回、樟南二は先頭の9番・中井 太陽(3年)が四球で出塁し、盗塁を決め、1番・山田 琉之介(2年)が右越え二塁打を放って先制。代打・辰濱 海静(1年)の中越え三塁打で2点目を挙げ、相手のエラーでもう1点を加え3点を先取した。

その裏、指宿も反撃。2つの四球などで2死一、三塁とすると、9番・西村 将斗(1年)が右越え二塁打を放って1点を返した。

9回は2死満塁と一打同点、逆転のピンチを背負ったが、8回までで降板し一塁の守備についていたエース牧園が空振り三振で仕留め、2点差を守り切った。

樟南二が接戦をものにした。「夏に2勝するのは初めて」と我那覇悟志監督。結果だけでなく、チームの掲げた「自ら崩れない野球」(荻田 正輝主将=3年)を実践できた点でも価値ある勝利だった。

我那覇監督が就任して3年目。これまでの県大会はほぼ初戦敗退。大半が5回コールドで終わっている。相手の強さ以上に「四死球やエラー、自分たちから崩れて」(我那覇監督)大差をつけられた。9回まで試合をして勝利を挙げた昨秋の隼人工戦は、両者打ち合ってミスも出て、消耗戦のような試合だった。

この日意識したのは「守備から攻撃のリズムを作る」(荻田主将)こと。2年生エース牧園が立ち上がりから好投し、野手陣も無失策で守り切った。得意の打撃は7回まで内野安打1本と攻めあぐねたが「我慢して、しっかり送って形を作っていればきっと流れはくる」(我那覇監督)と信じて疑わなかった。

我慢が8回の攻撃で花開いた。四球で出塁した9番・中井は意表を突く二盗を決め、1番・山田が右越え二塁打で先制点。2番・荻田主将は犠打で好機を広げ、1年生ながら思い切りの良さに定評がある代打の辰濱が初球を強振し2点目の中越え三塁打を放つ…「ベンチも含めた全員で戦う」(荻田主将)姿勢が凝縮された3点だった。

3日に鹿児島入り、6日に初戦を迎えるはずだったが、相手の棄権で不戦勝。試合がないまま鹿児島滞在という想定外の1週間だったが「練習、ホテルでの過ごし方も含めて崩れないことを常に意識させた」(我那覇監督)。やってきたことが結果につながることほど自信になるものはない。荻田主将は「次の試合も守備から攻撃のリズムを作る。例え先制されても最後まであきらめない野球をやりたい」と張り切っていた。

指宿・濵田

指宿円陣

樟南二盗塁

指宿・元脇

樟南二円陣

樟南二2点目・辰濱三塁打

樟南二3点目

樟南二・牧園

樟南二1点目

樟南二2点目

樟南二2点目

樟南二1点目

樟南二・牧園

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【岩手】一関二、盛岡誠桜などが初戦を突破<春季大会>

2024.05.18

【関東】昌平・山根が2発5打点、東海大相模・4番金本が2ランなどで初戦を快勝、東海大菅生は山梨学院を完封<春季地区大会>

2024.05.18

【長崎】長崎西、島原中央などが初戦を突破<NHK杯地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?