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素早い動きを可能にするパワーポジション

2023.05.05

素早い動きを可能にするパワーポジション | 高校野球ドットコム
パワーポジションから素早く走り出すことを意識しよう

 野球では状況にあわせて素早く動く場面が多くあります。一番わかりやすいのは盗塁を狙う際のランナーの動きではないでしょうか。一瞬の判断で次の塁を狙うために走り出すときは、止まった状態から素早く動き出すことが求められます。内野手の守備においても打球方向に素早く移動して、捕球と同時に送球するということを繰り返します。

 さて皆さんは止まった状態からすぐに動き出せるような姿勢があることを知っていますか。スポーツ全般において「パワーポジション」と呼ばれる姿勢は「最も力を発揮しやすい姿勢」と言われています。止まった状態から前後・左右への素早い動きを可能にするための構えであり、野球に限らずさまざまなスポーツの基本姿勢として知られています。

《一般的なパワーポジション》

・肩幅よりもやや広めの立ち位置をとり、つま先は中間位(ニュートラル)もしくはやや外向き
・軽く膝・股関節を曲げ、重心の位置を下げる
・つま先よりも膝が前に出ないようにする(足の中心部もしくはやや前方に重心がくるように)
・背中を丸めずまっすぐに保ち、顔は正面、視線は前方へ

 パワーポジションから反応して動き出すときには、地面を押し込むようにして(地面から反力を得て)動作を開始するため、大きな力を発揮しやすくなります。また余計な力が入らないので、手足(体の末端部分)がより動きやすくなります。反対に力みが強くなると「ブレーキを踏みながらアクセルを踏む」という非効率的な動きになってしまい、一生懸命動いているのに思ったよりも素早く動けない…といったことが起こります。この他にも背中を丸めない(猫背にならない)ことは体幹を安定させることにもつながります。

 この姿勢は股関節・膝関節を曲げてしゃがみ込むスクワットの姿勢とも類似しています。上半身は脱力しつつも、股関節・膝関節は屈曲位にあり、そこから前後・左右へと素早く動くことができる構えとなっています。足幅は広げた方がより安定しますが、動きやすさを考慮すると、その場で自然にジャンプできる程度の足幅くらいを目安にするとよいでしょう。スポーツの基本姿勢であるパワーポジションからの素早い動きを普段の練習から意識して取り入れていきましょう。

文:西村 典子
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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