Column

群馬の21世紀枠推薦校に選ばれた群馬の実力校バッテリーは理学療法士志望。その理由とは vol.3

2022.12.09

群馬の21世紀枠推薦校に選ばれた群馬の実力校バッテリーは理学療法士志望。その理由とは vol.3 | 高校野球ドットコム
斉藤 琢真、津久井 陣太(市太田)

 来年春のセンバツ21世紀枠の地区別の推薦校が9日、発表される。関東地区の推薦校を狙っているのが、市太田(群馬)だ。ここまで練習内容、地域貢献活動について取り上げてきたが、今回は理学療法士志望のバッテリーを紹介したい。

 今年の市太田の自慢は、エースの津久井 陣太投手(2年)だろう。兄が市太田の付属中でプレーしていたこともあって、津久井は中学、高校でも市太田でプレーすることになった。

 171センチ、65キロながら、140キロ近い速球を投げ、切れのある変化球も投じる。練習試合だが、強豪相手にもしっかりと結果を残してきた。6月の日本文理(新潟)戦、7月の富山第一(富山)戦で勝利。8月の遊学館(石川)戦では3イニングを投げ、打者9人に対して7奪三振のパーフェクト投球を見せ、10月の成田(千葉)戦でも好投した。

 成田とは過去1度対戦しているが、打ち込まれている。その反省を生かした。

「全部投げて初回の3点以降はすべて0です。あの時は手応えもあって、充実した試合でした。左バッターの内角の攻め方が上手くできて、コースを使い分けて、打ち気を逸らすことができました」

 

 元広島の投手として在籍していた相澤コーチからいろいろアドバイスをもらうという。

「いただくアドバイスは1つ1つが的確で、試合が終わった後も振り返る内容が自分の考えているより1つ上で、すごく充実した日々を送れています。試合が終わったあとはボールの入りが甘かったりだとか、もっとバッターの特徴を見るようにと言われています」

これほどの能力と実績のある津久井だが、将来は理学療法士になるために、国立大の医学部を目指している。この夢を抱くようになったのは、自分のケガを治してくれた方の存在が大きかった。

「自分が野球をやっていて、小さい頃からケガをしてきて、その時に接骨院の先生やいろんな人とが変わってきて、そういう存在になりたいと思って医学部の理学療法を目指しています」

 そして主将の斉藤 琢真捕手(2年)も理学療法士を目指している。

「自分は大学でも野球を続けたいと思っています。自分には将来の目標があって、理学療法士になりたいと思っているので、理学療法士の勉強もしながら、野球も続けていきたいと思っています」

 斉藤が市太田に進んだのは、兄と2019年の躍進がきっかけだ。

「兄が市太田で野球をやっていて、2019年に前橋育英市太田の試合を見て、凄いと思いましたし、ここなら甲子園を目指してやっていけるなと思い市太田に決めました」

 斉藤は群馬の21世紀枠推薦校に選出されたことに、先輩たちに感謝をしていたが、自分が市太田に進学するきっかけとなった先輩たちがいたからこそ、今の立場があるとも自覚している。

 今年の市太田を見ると、自主性が高いチームだといえる。それは強い市太田を見ていて、継承したい斉藤の思いもあるからだろう。

 いよいよ地区別の推薦校が発表される。関東地区の各県の推薦校もエネルギッシュで、先進的な取り組みをしているチームもある。激しい競争となるだろう。もし選ばれることがあれば、高校野球ファンをワクワクさせるチームであることは間違いない。

(記事=河嶋 宗一

群馬の21世紀枠推薦校に選ばれた群馬の実力校バッテリーは理学療法士志望。その理由とは vol.3 | 高校野球ドットコム
応接室に飾られている感謝の手紙

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.23

春季関東大会でデビューしたスーパー1年生一覧!名将絶賛の専大松戸の強打者、侍ジャパンU-15代表右腕など14人がベンチ入り!

2024.05.22

【宮城】仙台育英は逆転勝ち、聖和学園が接戦を制して4強入り<春季県大会>

2024.05.22

【北信越】帝京長岡の右腕・茨木に注目!優勝候補は星稜、23日に抽選会

2024.05.22

【秋田】明桜と横手清陵がコールド勝ちで4強入り<春季大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.04.23

床反力を理解しよう【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?