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「ミスを怒らない少年野球大会」が聖地・甲子園で開催!小学生に笑顔がこぼれる大会に

2022.12.10

「ミスを怒らない少年野球大会」が聖地・甲子園で開催!小学生に笑顔がこぼれる大会に | 高校野球ドットコム
110キロを計測した大西 崇仁投手

 12月10日、甲子園球場でスポーツメーカー・ミズノ株式会社が主催となってMIZUNO DREAM CUP Junior Tournament FINALラウンド(以下、ドリームカップ)を開催。4試合が行われ、ベスト4が決まった。

 今大会は「ミスを怒らず、みんなで助け合う」野球大会ということで、”失敗したときこそ、励ましあおう”といった5つの約束事が作られた特別な大会。昨今、野球界が抱えている野球離れによる野球人口の減少や、新型コロナウイルスによる公式戦の機会の減少もあり、野球の持つ魅力を感じてもらうために5つの約束事を作ったという背景がある。

 実際、第1試合で北ナニワハヤテタイガースの前に敗れたスモールスポーツ少年団で110キロ計測した先発・大西 崇仁投手は、「(球場が)大きく見えた」とマウンドから見た甲子園の景色に緊張したのか、中盤で打ち込まれる苦しい投球内容だった。しかし、「周りからの励ましの声が良く聞こえた」とチームメートやベンチ、そしてスタンドからの声援が支えとなって、諦めることなく投げ続けた。今大会の約束事だった“失敗した時こそ、励ましあおう”を感じているようだった。

「ミスを怒らない少年野球大会」が聖地・甲子園で開催!小学生に笑顔がこぼれる大会に | 高校野球ドットコム
ホームランを打った小坂優翔

 また、2試合目で登場した老松グレートボーイズは、スタンドから音源を利用して高校野球では定番の応援歌が流れた。「魔曲」「ジョックロック」など、さながら高校野球の応援だった。大会の約束事の1つである“みんなでこの大会を盛り上げよう”を保護者の方々もまさに実践していた。

 この応援を背に受けてランニングホームランを放った主将の小坂優翔は、「集中していても自然と応援が聞こえてきた」とスタンドから送られる声援を少し感じながら、甲子園での試合を楽しんだ。ガッツ少年野球クラブに敗れたが、「高校になったら、もう1度甲子園に来て、優勝したい」とリベンジを誓った。

「ミスを怒らない少年野球大会」が聖地・甲子園で開催!小学生に笑顔がこぼれる大会に | 高校野球ドットコム
リベンジを誓った吉田 玲緒

 4試合目に登場したオール富山JBCの選手たちも、リベンジしたい気持ちは同じだ。宇土ブルーナインに悔しい敗戦を喫し、先発した吉田 玲緒投手は目の周りを赤くしながらも強いまなざしで、「もう1回甲子園に来て今度は全員を抑えたい」と悔しさをエネルギーに変えて、更なる成長を誓っていた。

 同時に「甲子園に来られてよかった」とも話したが、第1試合に登場したスモールスポーツ少年団の主将・原 紗彩も「これまで何度かランニングホームランを打ちましたが、甲子園は全然違いました」と話していたように、多くの選手が聖地で過ごした夢の時間を満喫したようだった。

「ミスを怒らない少年野球大会」が聖地・甲子園で開催!小学生に笑顔がこぼれる大会に | 高校野球ドットコム
甲子園を全力で楽しんだ原 紗彩

 楽しみ方は選手それぞれだ。原のように、純粋に夢舞台・甲子園でプレーできることを楽しむ。吉田のように、全国のライバルと真剣勝負を楽しむ。選手の数だけ夢の舞台での過ごし方がある。

 「甲子園は人生を変える」という言葉を聞いたことがあるが、今回出場した選手たちも同じように何かを感じてもらい、それが未来の野球界に還元されることがあれば、このドリームカップの意義は、野球界にとって大きなものになるだろう。

 大会は11日に準決勝、決勝の3試合が予定されている。優勝するのはどのチームなのか。

◆大会ページはこちら

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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