試合レポート

二松学舎大附vs東亜学園

2022.10.17

二松学舎大附 9番・中川の逆転3ランによるリードを好救援の重川が守り抜く

二松学舎大附vs東亜学園 | 高校野球ドットコム
3回二松学舎大附・中川龍斗本塁打を放つ

<秋季高校野球東京都大会:二松学舎大附5-3東亜学園>◇17日◇2回戦◇都営駒沢

 4季連続の甲子園を目指す二松学舎大附東亜学園が挑んだ一戦は、1回表、二松学舎大附の4番・片井海斗が右翼手のグラブに当たりながらも柵越えとなった2ランを放ち、幸先よく先制。二松学舎大学附のペースになるかと思われた。

 しかしその裏、東亜学園の1番・中村ワツラフ和玖斗が遊ゴロで、一塁に頭から滑り込み内野安打にする。「足を使った泥臭い野球をしたいです」と言う中村は、相手チームにとって厄介な存在だ。中村は2番・富谷絢太の犠打、3番・笹本琢真の内野安打、4番・三浦寛明の三ゴロで生還する。

 二松学舎大附の先発は背番号7ながら、既に甲子園のマウンドを経験している大矢青葉であるが、この日は乱調気味。2回裏には3四死球で二死満塁のピンチを招く。ここで東亜学園の3番・笹本が中前安打を放ち2人が生還して逆転する。東亜学園の二塁走者・中村は、果敢な走塁でホームに滑り込んだ。

 二松学舎大附は、ここで投手をエースの重川創思に交代する。

 すると3回表二松学舎大附は、2四球で二死一、二塁の場面で、9番・中川龍斗が左中間の柵越えの3ランを放ち、逆転する。「真っ直ぐを強く振ろうと思っていました。高校で初めてのホームランです」と中川は言う。中川は上位の打順の力はあるものの、「上位にあげると色気が出る。9番にいる方が、相手にとって嫌だと思います」と、二松学舎大附の市原勝人監督は語る。

 序盤はもつれた展開になったが、4回以降は落ち着く。特に2回途中からのロングリリーフとなったエースの重川は、7回1/3を投げ被安打3の無失点の好投。ピンチは何度かあったが、落ち着いた投球でホームを踏ませない。

 東亜学園も先発のエース・齋藤颯真からバトンを受け、4回から登板した大沢健翔が5回を被安打2の無失点に抑える好投で、両チームとも4回からは得点が入らず結局5-3で二松学舎大附が逃げ切り、3回戦進出を決めた。

 敗れた東亜学園の武田朝彦監督は、「9番打者にホームランを打たれるとは思っていませんでした。それでも、今できる限りのことは、やりました」と語り、さらに体作りも含めて鍛え直して、レベルアップを図る考えを示した。

 序盤は苦戦を強いられた二松学舎大附であるが、「もつれるかもしれないことは、薄っすら頭の中にありました」と市原監督は言う。ただ、どのような展開になっても慌てないのが、このチームの強さだ。4季連続の甲子園に向け、戦力を整えつつある。

(記事=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.13

【仙台六大学】“投手王国”にまたひとり…リーグ戦初登板初先発の東北福祉大・柴田由庵が史上15人目ノーヒットノーラン達成!

2024.05.14

【2024年春季地区大会最新状況】近畿大会、北信越大会、全道大会で出場校が決まる

2024.05.13

【首都大学】14季ぶりリーグ戦優勝の帝京大のエース左腕・榮 龍騰は「絶対にマウンドを譲りたくなかった」ストレートを軸にした投球で前回対戦の悔しさ晴らす11奪三振快投!

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.09

「指導者はどこにいる?」九里学園(山形)が 選手主体の”考える野球”で成果着々

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?