試合レポート

仙台三vs石巻好文館

2022.09.18

仙台三が22安打21得点大勝!新主将・齊藤を中心にさらなる高みへ

仙台三vs石巻好文館 | 高校野球ドットコム
先制打含む3安打3打点の活躍を見せた仙台三・齊藤夢真

<第75回秋季東北地区高校野球宮城県大会:仙台三21-3石巻好文館>◇18日◇2回戦◇鹿島台中央

 第75回秋季東北地区高校野球宮城県大会は2回戦までを終え、ベスト16が出揃った。近年、上位に食い込む実力をつけてきている仙台三石巻好文館と対戦し、22安打21得点の猛攻で3回戦に駒を進めた。

 1~4番に夏もスタメンで起用されていた2年生が名を連ねる仙台三打線が、初回から爆発した。1死から2番・本郷泰成外野手(2年)が左前打で出塁すると、その後満塁とし、打席には新主将の5番・齊藤夢真捕手(2年)。2球目のカーブを中前にはじき返し2点適時打とすると、さらに相手の失策が絡み3点を先制する。結局この回は四球を挟んで9連打と打線がつながり、いきなりスコアボードに「7」を刻んだ。

 仙台三は2回以降も攻撃の手を緩めない。2、3回にいずれも打者9人の猛攻で5点ずつを奪い、4回は公式戦初出場ながら第1打席から結果を残していた熊晃太捕手(1年)がこの日3本目の安打となる3点適時三塁打を放つなどし、4点を加えた。終始、「一番流れる打順を組んだ」という佐々木久善監督の思惑通りの攻撃を展開した。

 「全員で戦い、助け合うチームをつくりたい。自分なりの野球観を持っている選手が多いので、全員がその考えを出せるようになると、もっといいチームになる」。3安打3打点と役割を果たした齊藤は、夏の大会で3回戦敗退したその日にチームメイトの推薦で主将に任命された。それ以降、主将としてチーム全体の雰囲気を見る中で、一つの課題を感じていた。

 この日は「自分たちが練習で徹底してきたことは出せた」と手応えを口にした一方、3番・神稜真外野手(2年)が出場選手唯一の無安打に終わったことに触れ、「他のメンバーが明確なアドバイスをし、助けることができなかった」と唇をかんだ。経験豊富なメンバーが揃う強いチームだからこそ、現状に満足せず、より高みを目指し野球と向き合っている。

 1回戦で12得点した打撃力が強みの石巻好文館は、大敗の中で意地を見せた。5回以外は毎回安打を放ち、3回は日野雄埜捕手(2年)、磯田大智投手(2年)の適時二塁打など3つの長打が飛び出し、相手先発・石川恭祐投手(1年)から3得点。伊藤紀行監督は「ストレート対策が実り、打撃は結果として出てきた。あとは変化球にいかに対応できるか」と来春に向けた収穫と課題を口にしていた。

(取材=川浪 康太郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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