仙台育英vs鳥取商
仙台育英の投手陣の層の厚さは驚異的
古川翼投手(仙台育英) ※写真は過去の大会より
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<第104回全国高校野球選手権大会:仙台育英10-0鳥取商>◇11日◇2回戦◇甲子園
仙台育英(宮城)の投手陣が圧倒的な力を誇って、鳥取商(鳥取)を抑え込んだ。先発の高橋 煌稀投手(2年)から、古川 翼投手(3年)、仁田 陽翔投手(2年)、斎藤 蓉投手(3年)、湯田 統真投手(2年)の5投手は、いずれも140キロ台の速球を主体に、堂々の投球を見せた。誰がエースになってもおかしくない高いレベルで競争しているのだろう。他のチームがうやらむほどのリレーで快勝した。
先発の高橋と最後を閉めた湯田の右腕2人は、ともに高い位置からのリリースで、縦回転の球質だった。スピンの効いた直球は、高めでもかなりの威力がある。さらに、湯田は低めにも重そうな直球をズバリと決めていた。打者2人に対してわずか7球しか投じてないが、素質の高い2年生だということは明らかだった。
左腕の古川と仁田は、上背こそないが、切れのある直球はもちろん、変化球の切れが特徴的だった。特に仁田の縦のスライダーは右打者ではなかなか打てそうにない。まだ2年生でどこまで完成度が上がるか、楽しみで仕方ない。
5投手で、鳥取商をわずか2安打に抑えた。しかも、安打を許したのは岩崎 翔投手(3年)だけ。奪った三振は14にも上った。複数投手をもつチームが有利と言われる現代の高校野球界で、これだけのレベルの5投手がベンチに入っているのは「反則」と感じるくらいだ。大阪桐蔭との対戦を見たくなる。
鳥取商は前半までは互角の戦いを演じていた。先発の背番号10・山根 汰三投手(2年)が味方の好守備にも助けられながら5回までスコアボードに0を並べた。仙台育英の強力な左打者を相手に、死球すれすれの内角への直球を投げ込むなど、大胆な配球と度胸満点の投げっぷりが光っていた。強打者をある程度抑えるには、やはり「ふところをつく」気迫が必要なのだろう。来年夏、この姿勢を貫いてまた甲子園のマウンドに立ってほしい。
(記事=浦田 由紀夫)