海城vs正則
進学校の海城が2ケタ安打で初戦突破!全員野球でベスト16目指す
<第104回全国高校野球選手権東東京大会:海城7−1正則>◇10日◇2回戦◇神宮
試合開始前から、熱気とともに一気に気温が高くなる[stadium]神宮球場[/stadium]。夏の高校野球の風物詩といえるブラスバンドも球場にこだましている。
そんな中、始まった両校の一戦。
海城は初回、2番・神作 優志(2年)、3番・岸 凛太朗(3年)が両打者ともに内野安打で出塁する。すると2死一、二塁から5番・小池 泰生(2年)の適時打で先制。
海城の先発は高身長右腕、江口 直希(3年)。181センチの身長を生かして、ゆったりとしたフォームで落差のある球を投げ込む投手だ。その江口が味方から1点の先制点をもらった直後のマウンド。2死から正則の3番・金本 力(3年)、4番・高橋 勇紀(3年)に連打を浴びるも、続く5番・萩原 晴音(3年)を三ゴロに打ち取り初回を無失点で切り抜ける。
序盤のマウンドから緊張と投球フォームの影響で高めに抜けるボール球が多くなっていたが、江口は「ボール球で相手に助けられる投球だった」と振り返った。
追加点が欲しい海城は、4回表に先頭の7番・小田 周(2年)が中前打で出塁すると、相手の失策も絡み1死満塁のチャンスを作ると併殺を狙おうとした相手の失策で2点を追加。
5回表にも先頭打者の5番・小池が左安打で出塁し、6番・江口が犠打を決め、7番・小田の適時打で1点を追加した。
江口と投げ合ったのは、正則の左腕、高橋。岸本淳監督によると、高橋は今年の新チームから入部し、高校野球生活はわずか1年間だったという。昨年の同校のベスト32となった際の姿を見て、もう1度野球をやりたいと決意をして入部した。岸本監督はそんな高橋をチームの大黒柱として認めた。だからこそ、この神宮の舞台で9回までマウンドを躊躇なく託した。
正則は5点を追う7回表、先頭の8番・森川 琉生(2年)と続く9番・岡村 祥大(2年)の2年生コンビが連打を放ち無死一、三塁のチャンスを作ると9番・網谷 拓磨(3年)の併殺の間に三塁走者が生還し、待望の得点を挙げた。
1点を返された海城は、すぐさま7回裏に7番・小田の適時二塁打で1点を追加。9回にも4打席無安打だった8番・三浦 遼大(3年)が最終打席に適時打を放ちダメ押しの2点を追加し試合を決定づけた。
進学校の海城高校。専用のグラウンドがなく、限られた場所で、週3回、1日の活動時間は2、3時間という練習環境の中、できることをやってきた。次戦も全員野球でチームの目標であるベスト16に向け、広いグラウンドで最高のプレーを見せてほしい。
(取材=大松 優花)