仙台vs登米総合産業

＜第104回全国高校野球選手権宮城大会：仙台10－2登米総合産＞◇17日◇2回戦◇仙台市民

　仙台と登米総合産業による一戦。仙台は一昨年の夏の大会（代替大会）で準優勝するも、昨年は初戦敗退と悔しさを味わった。一方の登米総合産業は2015年に創部されたチームで、一昨年に夏初勝利。初の「夏2勝」を目指し、2回戦に臨んだ。

　前の試合の登米対名取北に続き、この試合も両エース右腕による投手戦となる。仙台の先発・齋藤哲兵（3年）は3回までパーフェクトピッチング。一方の登米総合産業先発・志田蒼大（3年）も緩急をつけた投球で立ち上がりのピンチをしのぎ、3回まで0を連ねた。

　先制点を奪ったのは仙台だった。4回、2死二塁と好機をつくると、7番・齋藤が左中間を破る適時二塁打を放つ。背番号1が自らを助ける一打で試合を動かした。その後も6回に6番・澤田健太（3年）の犠飛、7回に2番・田中雄輝（3年）の適時打が飛び出し、仙台が着実にリードを広げた。

　齋藤は4回に初安打を許したが後続を抑え無失点。5回は2死から振り逃げや暴投が重なり満塁のピンチを迎えたが、1番・鈴木琉久斗（2年）を変化球で空振り三振に仕留め、本塁は踏ませなかった。しかし7回、登米総合産業が反撃ののろしを上げる。先頭の志田が二塁打を放ち出塁すると、1死後、7番・伊藤大輝（3年）の打球が三塁手の失策を誘い1点を返した。さらに2死三塁で代打・中山拓夢（2年）が左前への適時打を放ち、1点差まで詰め寄った。

　雷が鳴り、雨も降りだす中、緊張感が漂うまま9回へ。ここにきて仙台打線が爆発する。4番・本川優人（3年）がこの日3安打目となる適時二塁打をマークするなど、打者一巡の猛攻で7得点。試合を決定づけた。その裏は2番手・岡直太朗（3年）が三者凡退に抑えゲームセット。仙台が3回戦へ駒を進めた。

　登米総合産業は9回に突き放され、初のベスト16入りはならず。それでも、ベンチ入りメンバーの20人全員が出場し、一人一人が声を掛け合いながら、まさに「全員野球」で戦い切った。大健闘を見せた新鋭校に今後も注目だ。

（取材＝川浪 康太郎）