試合レポート

都立小岩vs筑波大附

2022.07.14

小岩、単打を集中して2度のビッグイニングでコールド勝ち

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第104回 全国高等学校野球選手権大会 東東京大会

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 <第104回全国高校野球選手権東東京大会:小岩10-3筑波大附>◇14日◇2回戦◇江戸川区

 ビックリするような長打が飛び出したり、強烈な打球を放っているというのではないけれども、小岩が2度のビッグイニングを作って、東京大にも何人か選手を輩出している筑波大附にコールド勝ちした。小岩の各打者はコンパクトに振りながら、パチンパチンとはじき返して行って、気がついたら15本の安打を放ったということになった。

 試合の入りは、筑波大附の先発有倉がいい雰囲気で初回、2回と小岩打線を3人ずつで抑える。攻撃でも、筑波大附は安打で走者も出していて、やや押し気味かなという展開だった。

 ところが3回、小岩の7番小林主将が左前打して口火を切ると、バント失策で二、三塁とする。ここで9番で投手の半澤が左前打で三塁走者をかえして先制。さらに1死後2番吉川は巧みなバント安打で満塁とすると、シュアな鈴木輝が中前へしっかりとはじき返して2点目。ここで、筑波大附のマウンドは有倉から山本に代ったが、4番富永も中前打で三塁走者をかえして3点目を奪う。その後、暴投もあってもう1点入りこの回4点となった。

 しかし、筑波大附もすぐに反撃。その裏、1死後、1番田崎が内野安打で出るとすぐに二盗し、四球後に高野の中前打で生還。なおも、暴投とボークで2点を追加して、たちまち1点差とした。筑波大附は、ベンチもいい雰囲気で盛り上がっていた。

 筑波大附は通称「筑附(つくふ)」と呼ばれている進学校で、特に東京大などの最難関校の受験を目指す生徒にとっては憧れの学校と言ってもいいところでもある。応援横断幕にも、「図南の翼うち張りて」という大きな事業を遠い地で成そうとする志や計画を意味するという意味の言葉が書かれたものが掲げられていた。こういう当たりは、さすがに日本を代表する進学校を思わせるところでもある。

 1点差のまま、試合は後半戦に入っていったのだが、グラウンド整備後の6回の攻撃で、小岩は一気に畳みかけた。

 8番からの攻撃だったが、1死後9番半澤が死球で出ると、続く関根が三遊間を破り、俊足吉川は巧みに三塁線へバント安打として満塁。ここから鈴木輝、富永、加治のクリーンアップがいずれもしっかりとはじき返して3連打。加治の一打はやや詰まり気味だったがうまく中前に落ちた。さらに2死後、小林と遠藤も続いてこの回は6点を奪って一気に勝負を決めていった。

 そして、投手は先発の半澤が5回を投げ、6回からは背番号10の進藤が投げ、7回は連打もされたもののしっかり無失点で投げ切った。筑波大附としては、序盤はいい戦いでもあったが、及ばなかった。

 東大大学院生でもある筑波大附の和気 正純監督は、「雰囲気は良かったと思っています。それが、このチームの持ち味でもあるので、それを発揮できたのはよかったけれども、相手の力が上だったのかなと思います」と振り返っていた。平日は月水木の週3回の2時間の練習と限られた条件の中でのチーム作りだ。そうした中で、やれることはやったという充実感はあったようでもあった。

 小岩の茶川 剛史監督は、「初戦は、どんなチームでも緊張するんだということは伝えました。今のところはチームとしては65~70%の完成度ですが、こういう戦いで大会を通じて完成度を上げていかれるかなと感じています」と語り江戸川や紅葉川、母校の都立城東や恩師梨本 浩司監督率いる文京など、比較的近い範囲にある都立校がそれぞれに充実してきているだけに、「それらの存在もライバルとして意識している」と、今大会の躍進を大いに狙っている雰囲気でもあった。

(取材=手束 仁)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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