試合レポート

都立城東vs関東一

2022.07.25

都立城東 代打・高野の勝ち越し打をエース・峯岸が守り切り関東一を破る

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城東・峯岸叶 勝利のガッツポーズ

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<第104回全国高校野球選手権東東京大会:都立城東3-1関東一>◇24日◇準々決勝◇神宮

 下町の強豪同士の対戦だが、昨年の秋季都大会のように、都立城東は善戦しても関東一の壁をなかなか越えられなかった。しかし今回は、都立城東関東一を追い詰め、勝利を物にした。

 関東一は左腕の桝川 颯太都立城東はエースの峯岸 叶が先発した。試合は1回表都立城東が2死一、二塁から5番・高田 悠雅の右前適時打で1点を先制する。一方、関東一は3回裏3死二塁から4番・増尾 己波の右前安打で同点に追いつく。ここまでは序盤のジャブの応酬といったところだ。

 中盤以降、都立城東は内野の守備で失策が目立ち、ピンチもあったが、いい当たりが正面を突くなど関東一には不運な面もあり、リードを奪えない。また峯岸が低めをうまく突いて、決定打を許さない。関東一は5回表から桝川に代えてエースの成井 颯を送る。成井は140キロ台半ばの速球を投げ込み、都立城東を抑え込む。

 1対1の均衡が破れたのは8回表都立城東の攻撃だった。1死後3番・渡邊 匠が右前安打、4番・佐久間 飛向が四球で出塁。5番・高田は三振に倒れたものの、6番・西岡 拓朗に代わり代打に高野 丈治を送る。

「初戦で、2アウトから同点タイムリーを打っていますから」と、都立城東の内田稔監督は、高野の代打起用の理由を語る。高野は期待に応え中前安打を放ち渡邊が生還。1点を勝ち越す都立城東は9回表には1番・藤森 晴久が左翼柵越えの本塁打を放ち、差を2点にした。

 9回裏関東一は7番・柳瀬 冬和が内野安打で出塁したものの、8番・富岡 大阿が併殺に倒れる。9番・成井に代わり代打に田野 裕真を起用したが、中飛に倒れ、試合終了。都立城東が、春季関東大会準優勝で優勝候補の本命だった関東一を破る大金星を挙げた。

 関東一が夏の大会で4強を逃したのは10年ぶり。都立城東が夏の大会で関東一に勝つのは、都立城東の内田監督が現役高校生だった時の2001年以来となる。関東一の米澤貴光監督は、「3年生は頑張ってくれました。負けたけど、いいチームだと思います」と語り、3年生をねぎらった。

 都立城東の峯岸は9回を完投して奪三振はないものの関東一を被安打7の失点1に抑え、長打は打たれていない。「相手も同じ高校生。すごく楽しかったです」と峯岸は言う。その気持ちの前向きさが腕の振りの良さになり、関東一を抑える要因になった。都立城東は内田監督が現役の時以来、21年ぶりに関東一を破り、21年ぶりの甲子園も夢物語ではなくなってきた。21年前は中心打者として甲子園を経験している内田監督は、「準備もちゃんとしなければなりませんが、ミラクルがないと行けません」と語る。第1シードの関東一が敗れたことで、東東京大会の優勝争いは混とんとしてきた。

(取材=大島 裕史)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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