試合レポート

慶應義塾vs大師

2022.07.17

慶應義塾高、公立校に現れた147キロ右腕を攻略し、4回戦へ

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三塁打を打つ吉田雄亮(慶應義塾)

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 <第104回全国高校野球選手権神奈川大会:慶應義塾7-0大師>◇17日◇3回戦◇等々力

 慶應義塾高vs大師の一戦。

 この試合の注目は大師のエースである澤田 寛太が、どこまで慶應義塾打線に通用するかに尽きる。大会初戦の寒川戦はまさに試運転的な形で5回無失点の好投を見せた澤田。慶應義塾高までにどう調整をして、力を発揮できるか。

 一方、慶應義塾高はこれまでの練習試合でプロ注目の好投手相手に打ち崩して勝利を収めるなど打線の評判は高い。

 試合は序盤から慶應義塾高が主導権を握った。1回裏、無死一塁から2番横地 広太外野手(3年)が適時三塁打を放って1点先制。4番・吉田 雄亮外野手(3年)からも適時三塁打が飛び出し、2点目を入れる。4回裏には4番吉田の三塁打から犠飛で1点を追加。

 5回裏には無死満塁から4番吉田が3安打目となる適時打、5番谷口 航大外野手(3年)の犠飛で1点、7番森本 亜裕夢内野手(3年)の適時二塁打で7対0と澤田の攻略に成功した。

 慶應義塾高は2投手の継投リレーで完封勝利。コールド勝ちで、4回戦進出を決めた。今年の慶應義塾高はとにかく動きにスピード感に溢れており、プレー動作も鋭い。ベースランニング、守備の動き、スイングスピード、打席での対応力の高さ。すべてにおいてレベルが違った。

 特に4番吉田の技術力は群を抜いている。スクエアスタンスで構える姿はうまく脱力ができていて、膝を柔軟に使って、高めにも、低めにもしっかりと捉えることができていた。大学でもかなり活躍が期待できる左打者だ。


神奈川公立高屈指の147キロ右腕 慶應義塾打線に打ち込まれるも6三振を奪い、大器の片鱗を示す

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澤田寛太(大師)

 一方、慶應義塾戦に先発し、7失点を喫した大師の147キロ右腕・澤田 寛太投手は、「1回戦の寒川戦よりは調子は良かったです」と語るように、1回戦以上の直球はいくつかあった。左打者が多い慶應義塾打線に備えて、シンカー、ツーシームなどの割合を増やし、縦変化の球で三振を奪うことも多かった。

 初回から26球も投じ、相手の執拗な攻めにも動じず、2回以降も最大限の引き出しを使って勝負をしていた。6奪三振を記録し、大器の片鱗を示した。

 最速147キロを出した昨秋と比べると、この日も7、8割程度の力感で勝負したが、「球が高めに浮いたところはありますが、ケガがあってなかなか投げられない時期が続いたことを考えると、ここまで勝負できたのは収穫だと思いますし、やり切ることができました」とすっきりした表情だった。

 これほどの素質を持った投手がさらにレベルアップするには、トップレベルの強豪校と公式戦で対決することが一番の成長の材料になると考えていただけに、良い経験になったといえる。

 進路が注目されるが、今のままではいけないと思っている。夏休みに入っても体の使い方を見直し、さらにレベルアップに励む。186センチの長身の割に器用に変化球を操れる。出力をさらに高めて、コントロールできる姿をスカウトの方に披露していければ、道を切り開くことができるのではないか。自分の取り組みを理路整然と述べる姿を見て、次のステージでも大きく活躍してほしい。そんな投手であった。

(取材=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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