星稜「悲運の左腕」審判として聖地に戻る【ふるさとの夏物語～昭和編】
2022年も高校球児の目標、夏の甲子園への道がスタートする。今年は「古豪」と言われるチームの復活が話題のひとつとなっているが、「昭和」の時代、1927年（昭2）13回大会から1988年（昭63）70回大会を駆け抜けた代表校を中心に夏の甲子園出場校を振り返る企画「ふるさとの夏物語～昭和編」。今回は石川を紹介する。
昭和時代に夏甲子園に出場したチームの出場回数上位ランキングは以下の通り。
石川といえば星稜の名前が浮かぶ。もちろん、昭和の時代も石川県の代表格だった。元中日の小松 辰雄投手がチームを率いて出場した1976年（昭51）に、石川県勢初のベスト4に勝ち進んだ実績は目立っている。
しかし、高校野球のファンの心に深く刻みこまれているのは、カクテル光線のなか、延長18回を投げた「悲運の左腕」、堅田外司昭投手の方かもしれない。
1979年（昭54）、第4試合となった箕島（和歌山）との3回戦、延長18回サヨナラ負けを喫した。様々なドラマを生み、高校野球のファンなら知らない人はいない試合だ。延長に入って2度勝ち越しながら、その裏に同点弾を許して18回の末に力尽きた。しかし、堅田投手の伝説はここで終わらなかった。甲子園に審判として戻ってきた。甲子園に愛された人だった。
18回の激戦で敗れ、球場を引き揚げる際、当時の球審に最後に使われた球を手渡された。一生の宝物にすると同時に、再び甲子園に戻るきっかけにもなった。2021年（令3）夏の決勝を最後に審判も勇退。石川県を代表するレジェンド左腕として、これからも語り継がれていくだろう。
石川県初代表は金沢商。初勝利は石川師範。最高成績は1995年（平7）と2019年（平31）星稜の2度の準優勝。石川県勢通算成績は42勝62敗で、勝利数の都道府県ランキングは36位。
★石川県勢の代表回数上位ランキング
1位 星稜 20回
2位 金沢 13回
3位 遊学館 6回
4位 金沢泉丘 4回
4位 金沢桜丘 4回
★石川県勢の甲子園勝利数上位ランキング（複数勝利以上）
1位 星稜 24勝（準優勝2回、4強2回）
2位 金沢 7勝
3位 遊学館 6勝（8強1回）
4位 日本航空石川 2勝
【石川の夏甲子園出場校一覧】
1回 1915（大4） ー
2回 1916（大5） ー
3回 1917（大6） ー
4回 1918（大7） ー
5回 1919（大8） ー
6回 1920（大9） ー
7回 1921（大10） ー
8回 1922（大11） ー
9回 1923（大12） 金沢商
10回 1924（大13） 金沢一中
11回 1925（大14） ー
12回 1926（大15） ー
13回 1927（昭2） ー
14回 1928（昭3） ー
15回 1929（昭4） ー
16回 1930（昭5） ー
17回 1931（昭6） ー
18回 1932（昭7） 石川師範
19回 1933（昭8） ー
20回 1934（昭9） ー
21回 1935（昭10） 石川工
22回 1936（昭11） ー
23回 1937（昭12） ー
24回 1938（昭13） ー
25回 1939（昭14） ー
26回 1940（昭15） ー
27回 1941（昭16） 戦争のため中止
1942（昭17） 戦争のため中止
1943（昭18） 戦争のため中止
1944（昭19） 戦争のため中止
1945（昭20） 戦争のため中止
28回 1946（昭21） ー
29回 1947（昭22） ー
30回 1948（昭23） 金沢一
31回 1949（昭24） ー
32回 1950（昭25） ー
33回 1951（昭26） ー
34回 1952（昭27） ー
35回 1953（昭28） 金沢泉丘
36回 1954（昭29） ー
37回 1955（昭30） ー
38回 1956（昭31） ー
39回 1957（昭32） ー
40回 1958（昭33） 金沢桜丘
41回 1959（昭34） ー
42回 1960（昭35） 金沢市工
43回 1961（昭36） ー
44回 1962（昭37） 金沢
45回 1963（昭38） 金沢泉丘
46回 1964（昭39） 小松実
47回 1965（昭40） ー
48回 1966（昭41） 金沢商
49回 1967（昭42） ー
50回 1968（昭43） 金沢桜丘
51回 1969（昭44） ー
52回 1970（昭45） 金沢桜丘
53回 1971（昭46） ー
54回 1972（昭47） 星稜
55回 1973（昭48） 金沢市工
56回 1974（昭49） ー
57回 1975（昭50） 金沢桜丘
58回 1976（昭51） 星稜
59回 1977（昭52） 星稜
60回 1978（昭53） 金沢
61回 1979（昭54） 星稜
62回 1980（昭55） 金沢
63回 1981（昭56） 星稜
64回 1982（昭57） 星稜
65回 1983（昭58） 小松明峰
66回 1984（昭59） 星稜
67回 1985（昭60） 北陸大谷
68回 1986（昭61） 小松
69回 1987（昭62） 金沢
70回 1988（昭63） 金沢
71回 1989（平1） 星稜
72回 1990（平2） 星稜
73回 1991（平3） 星稜
74回 1992（平4） 星稜
75回 1993（平5） 金沢
76回 1994（平6） 星稜
77回 1995（平7） 星稜
78回 1996（平8） 金沢
79回 1997（平9） 金沢
80回 1998（平10） 星稜
81回 1999（平11） 小松
82回 2000（平12） 小松工
83回 2001（平13） 金沢
84回 2002（平14） 遊学館
85回 2003（平15） 金沢
86回 2004（平16） 遊学館
87回 2005（平17） 遊学館
88回 2006（平18） 金沢
89回 2007（平19） 星稜
90回 2008（平20） 金沢
91回 2009（平21） 日本航空石川
92回 2010（平22） 遊学館
93回 2011（平23） 金沢
94回 2012（平24） 遊学館
95回 2013（平25） 星稜
96回 2014（平26） 星稜
97回 2015（平27） 遊学館
98回 2016（平28） 星稜
99回 2017（平29） 日本航空石川
100回 2018（平30）星稜
101回 2019（平31）星稜
102回 2020（令2）（コロナで中止）
103回 2021（令3） 小松大谷
※金沢一中、金沢一＝現・金沢泉丘
小松実＝現・小松工
北陸大谷＝現・小松大谷
石川工＝現・石川県工
（文＝浦田由紀夫）
