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剛腕・辻田投手スクランブル登板も、クラーク国際が延長11回サヨナラで敗退！

2022.05.27

辻田旭輝

剛腕・辻田投手スクランブル登板も、クラーク国際が延長11回サヨナラで敗退！ | 高校野球ドットコム関連記事
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〈第61回春季北海道高校野球大会：札幌第一5−4クラーク記念国際〉◇26日◇準々決勝◇札幌円山

　今春のセンバツに出場したクラーク記念国際が延長11回サヨナラ負けを喫し、秋春北海道大会連続優勝の夢が消えた。4月中旬から左ひざの疲労骨折で実戦を離れていた最速148キロ右腕・辻田旭輝（あさひ）投手（３年）が、9回裏2死二塁の場面で登板。ここは3球三振に抑えたが、延長11回裏に自らの一塁への悪送球などで1死満塁のピンチを作ると、札幌第一の近江駿弥投手（2年）に右前にポテンヒットを運ばれ、力尽きた。

　まさかの登板だった。骨折がわかってから約1ヶ月。ブルペンで軽いキャッチボールを再開したのが3日前だった。9回表が始まる前に「ファーストに入れるか？」と聞かれ「行けます」と答えて、9回裏から守備に入った。一打サヨナラの場面を迎えると「一人、投げられるか？」とベンチから声がかかり、3回途中から6.１回を1失点にしのいできた新岡歩輝投手（2年）と交代でマウンドに上がった。公式戦のマウンドはセンバツ甲子園以来。痛みはなかったが、投球で左足を踏み出す感触は、「ちょっとかみあわなかった」という。

　9回は切り抜けたものの、延長11回裏、この日の19球目を痛打された。甲子園で九州国際大付（福岡）打線のインコースを強気に攻めた時の投球とは、程遠い内容で、最後の春の登板を終えた。「悪送球したのも、最後に打たれてしまったのも、今の実力。今回出た課題をすべてクリアして、夏は100％の状態にして勝ち進みたい」と、言い訳は一切せず、気持ちを約1ヶ月後から始まる高校生活最後の舞台に切り替えた。

　「今日の辻田投手の出来は、本来の30％以下でしょう。大事な夏の大会を前に実戦を経験し、課題を見つけられたことが唯一良かったこと。夏には変わってくるでしょう」と佐々木啓司監督は、今後の上昇に期待を寄せた。6月28日には、夏の甲子園に向けた空知地区予選が始まり、その1ヶ月後には、聖地に立つチームも決まる。「小学校時代から夢はプロ野球選手になること。高校からプロに行けるかどうかは、夏の大会の結果次第だと思います。ただ今の自分にとってもっと大事なのは、チームの甲子園初勝利や、監督の三元号（昭和・平成・令和）甲子園勝利。まずはこれを実現して、次のことを考えます」と辻田。北海道内連勝が12でストップしたこの日から、クラーク記念国際の夏が始まった。

■5月28日の試合