ヤクルトJr.で日本一経験捕手など!ポニー、ボーイズの代表選考会で見つけた逸材たち
大型連休があった5月は、中学球界でポニーの日本代表選考会を兼ねた、広澤克実杯全日本地域対抗選手権大会兼日本代表選手選考会、さらにボーイズでは、第22回鶴岡一人記念大会に出場する東日本ブロックの選考会が開催された。
代表の座をかけた未来のスター候補生たちが、自分の持てる力をいかんなく発揮。すでに代表メンバーは発表されており、選抜メンバーは夏場に代表選手としてプレーすることになる。
しかし、選考会に数多くの選手たちが招集され、光るものを見せる逸材たちが数多くいた。そこで今回は代表メンバーには選ばれなかったが、実力は中学球界屈指の逸材たちをそれぞれ紹介したい。
日本一を知る元ヤクルトジュニアの捕手などに注目
ボーイズの東日本ブロックの選考会には「例年になくレベルが高い」と連盟関係者からの声が聞こえるほど実力者が集まった。惜しくもメンバー入りは逃したが、実力ある逸材は多かった。
筆頭格は、春のボーイズ日本一に輝いた武蔵狭山ボーイズの本島敬大捕手だ。選考会では二塁送球1.96秒を記録する強肩を披露。小柄な体格ではあるものの、捕ってから素早く小さなモーションで二塁まで矢のような送球を見せていた。打席に立てば、ゆったりとした構えから、シャープなスイングを見せるなど、存在感は際立っていた。
小学生の時にヤクルトジュニアに選出された。主将として選抜メンバーをまとめて優勝した経験を持つなど実績も十分だ。今回はメンバーを逃したが、これからも引き続き注目していきたい。
打撃面では、柏ボーイズの岡田諒介内野手も活躍した。あまりテイクバックを取らないコンパクトな構えではあるが、鋭い回転で球を捉える。バットコントロールにも長けており、巧打者の印象を受けた。塁間の駆け抜けタイムも、3.23秒と参加メンバーの中ではトップレベルで、走力を含め身体能力の高さを見せつけた。
守備では武蔵狭山ボーイズ・森圭翔内野手、高崎中央ボーイズ・淡路温史内野手が軽快な動きで見せていた。
投手陣は、今回の選考会、選抜メンバーを見ても左腕が多く、右投手は、これからの成長が楽しみなところ。そのなかでも松戸中央ボーイズ・鬼頭智大投手は、2段モーション気味だが、どの球種でも腕をしっかりと振り下ろすフォームで、選考会でアピール。しなやかなフォームという印象を強く受けた。
愛川ボーイズ・柳沢拓輝投手は、勢いよく足を上げ、開きを抑えたフォームから、力強い直球を投げ込み、2三振を記録。力強さは選抜メンバーにも負けないものがあった。
フォームの完成度では横浜泉中央ボーイズ・相場琢希投手も良かったが、他にも中学生にしては貴重なアンダースローで打者を打ち取る、高崎中央ボーイズ・上原和玖投手も今後が楽しみな投手だった。
[page_break:素材型の選手の多いポニーリーグで注目したい逸材]素材型の選手の多いポニーリーグで注目したい逸材
ボーイズの東日本ブロックとほぼ同時期に日本代表を決める選考会が行われたポニーリーグは、試合形式での選考会だったこと。さらに投手は球数制限、野手は木製バットとボーイズとは違った状況だったため、単純比較は難しいが、将来性のある逸材が多い印象を受けた。
南東北選抜のメンバー、栃木ポニー・金井孝樹内野手は、柔らかくかつ軽い身のこなしを生かした軽快な内野守備が光った。さらに試合後半ではマウンドに上がり、横回転の投球フォームから切れのある速球を投げ込んでいた。
金井とともに二遊間を組んでいた新潟ポニー・五十嵐心都内野手は、体は細いがすらりとした長身が目立つ。まだプレー1つ1つは硬さはあるものの、しなやかさと体の強さが出てくれば、大型内野手として面白い存在となりそうだ。
強力打者が多かった関東選抜では、香取ポニーの村松 怜選手が木製バットを苦に感じさせないスイングを見せた。がっちりとした体格の持ち主で、低いトップの位置から鋭くバットを振り抜き、能力の高さを感じさせた。
さらに江東ライオンズの阿部賢士郎外野手は快音こそ響かなかったが、シャープなスイングを見せた。タイミングの取り方や待ち方もよく、打てる雰囲気を感じさせる打者だった。
下半身主導で始動し、鋭い腰の回転で、最短距離で球を捉える埼北ポニー・中島 侃聖の打撃は光るものがあった。
下級生主体で挑んだ沖縄選抜でワンポイントでのリリーフが多かった沖縄中央ポニーの崎濱光希投手は、踏み出す右足は突っ張らせつつ、上からしっかりと腕を振り下ろすことで、角度を付けた投球を見せた。上半身の力が強い印象だったが、球威のある投球で相手打者を封じた。これでまだ2年生ということを考えると、ここから1年でどれだけの投手に成長するのか期待が膨らむ。
今回紹介した選手はもちろん、代表に選出された選手、その他にも全国各地には多くの中学球児が日々練習を積み重ねている。これから中学、高校、大学と、さらなる成長を見せることを期待する。
(取材=田中 裕毅)