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段階的に行う体幹トレーニング

2022.02.25

段階的に行う体幹トレーニング | 高校野球ドットコム
姿勢を保って体幹の深層部を鍛えた上で力やパワーを積み上げよう

 野球に限らずスポーツにとって体の軸となる体幹部分は、皆さんも日々トレーニングなどで鍛えていることと思います。中には「割れた腹筋」に憧れる選手がいるかもしれませんね。さてその体幹部分には体の表層に近い部分から体の深層にある背骨付近に直接付着するものまで、さまざまな筋肉が体幹の安定と動きに役立っています(深層にある筋肉はインナーマッスルとも呼ばれます)。これらの筋肉がパフォーマンスアップに役立つためにはトレーニングを計画立てて行うことが理想的です。どのように体幹を鍛えていけば良いのでしょうか。

●まずは安定性を高める
 最終的には大きなパワーを生み出すことに貢献する体幹ですが、最初からパワーを目的としたトレーニングではなく、まずは体の安定性を高めることを意識しましょう。肘をついて体を保持するプローン(プランク)をはじめ、サイドでの体幹保持、四つんばいになってのハンド&ニー(図参照:対角線上にある手足を挙げて、2点支持を行う)など代表的なスタビリゼーションエクササイズは体幹の深層部にあたる腹横筋や、背中側にある多裂筋などを主に鍛える種目となります。背中が丸まったり反ったりすることなく、姿勢を維持することができるようにしましょう。この他にもお腹を凹ませて呼吸を行うドローインや、上体を大きく動かすのではなくお腹をのぞき込むようにして行うシットアップ、不安定板やバランスボールなどを用いたエクササイズなども深層筋群に刺激が加わります。

●安定した体幹に筋力を備える
 腹横筋をはじめとする体幹の深層筋群を強化し、さらにパフォーマンスを高めるためには表層筋群のトレーニングを行うようにしましょう。全体練習などで見かける一般的な腹筋・背筋エクササイズがこれにあたります。ただ単に直線的な動き(矢状面の動き)だけではなく、水平面を考慮した回旋動作なども加えるようにするとより競技に近い動作とともに体幹を鍛えることができます。

●筋力にスピードをかけてパワーを生み出す
 大きなパワーを発揮するためには「筋力×スピード」が必要になります。この段階で活用したいのがメディシンボールを使ったエクササイズです。特に伸張性収縮(筋肉が伸ばされながら力を発揮する)から素早く短縮性収縮(筋肉が短く縮みながら力を発揮する)を行うことは爆発的なパワーを生み出すことにつながります。メディシンボールを使ったシットアップを始め、回旋を伴うサイドスローはバッティングのパワー向上が期待できます。

 体幹トレーニングにおいても一般的なトレーニングと同じように土台づくりのための安定性の向上、筋力の強化、そしてパワー養成と段階的に行っていくことが望ましいと言えます。そしてこの体幹を活かすために必要になるのが体をしなやかに動かす柔軟性です。柔軟性の必要性は皆さんも十分理解していることと思いますので、体幹トレーニングとあわせて行うようにしてみてくださいね。

文:西村 典子
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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