いきなり163キロマーク、佐々木朗の進化は無限大なのか
佐々木 朗希投手(大船渡出身)
どこまで進化していくのだろうか。ロッテ佐々木朗希投手(大船渡出身)が、プロ3年目のキャンプ実戦初登板で、いきなり自己最速タイの163キロをマークした。19日の日本ハムとの練習試合(沖縄・名護)で先発すると、1回先頭打者を161キロの直球でバットを折って遊ゴロに仕留めた。この回3人目の5球目に、自己最速タイ163キロ。プロでは最速をマークした。体の切れ、直球の角度など、直球の質に関しては、この時期まったく問題ない出来を披露した。
昨年はいわば「大事に」起用されて、3勝をマーク。ポストシーズンではもっとも安定感のある投手という評価もあるほどだった。大きな飛躍を期待されて臨んだシーズン。キャンプ序盤からブルペン投球で成長ぶりをアピールしていたが、実戦の初舞台で最高の「出来映え」を見せつけた。
左打者の外角球が抜けたり、右打者への外角球ではシュート気味になるなど、佐々木朗本人は納得していないかもしれない。しかしこの時期の投手の仕上がり具合では、グンを抜いていると言わざるを得ない。変化球もスライダーなど若干使っただけ。ほぼ直球だけで勝負した結果、2安打はされたが、しっかり後続は抑えた。もちろん四球もゼロと、自ら崩れる気配すら感じさせなかった。
26球で160キロ超えが16球。球場のスピードガンが少々甘めな計測という「追い風」があったとはいえ、佐々木朗の快速球が色あせることはない。本当に「開幕投手」を射止めるかもしれない。今季は、どこまで球速を伸ばすのか。そして、変化球を駆使した完成された状態で、どこまで奪三振を伸ばすのか。本当に夢を感じさせてくれる右腕だ。