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センバツ富山勢の出場回数トップは伝統校・富山商、「新湊旋風」の4強が最高成績

2022.02.19

センバツ富山勢の出場回数トップは伝統校・富山商、「新湊旋風」の4強が最高成績 | 高校野球ドットコム
富山商のユニホーム

 2022年第94回選抜高校野球大会(阪神甲子園球場)に出場する32校が決定した。今年の高校野球界がこのセンバツからスタートすることになる。

 1924(大正13)年から開催された大会は今年で94回目。過去、選抜されたチームの歴史を全国47都道府県別に振り返ってみる。

 今回は富山。今センバツへの出場校はない。昨年の秋は富山第一高岡商を破って優勝。3位の富山商と合わせた3チームが北信越大会に出場したが、富山第一高岡商は初戦敗退。富山商も惜しくも準決勝で敗れてセンバツ切符は届かなった。

過去、富山でのセンバツの出場回数上位ランキングは以下の通り。

<富山センバツ出場回数上位ランキング>
(複数回出場校のみ)
1位 富山商     6回
2位 高岡商     5回
3位 新湊      2回

 富山県勢のセンバツ初出場は、第28回(1956年)大会の滑川。県内の出場回数を2分する富山商の初出場は第35回(1963年)大会、高岡商の初出場は第40回(1968年)大会。以後、競い合うように出場を重ねてきた。近年、出場5大会はこの2チームいずれかになっている。富山県勢の21世紀枠での出場は1度もない。

 センバツの勝利数ランキングは以下の通り。
1位 新湊   4勝(4強1回)
2位 富山商  2勝
3位 高岡商  1勝

 富山県勢のセンバツ初勝利は、第40回(1968年)大会の高岡商。沖縄(現・沖縄尚学=沖縄)高校相手に14対1で圧勝した。富山県勢の最高成績は第58回(1986年)大会の新湊の4強。プロ注目選手が所属する強豪を倒していく初出場の快進撃に、「新湊旋風」と話題を呼び、甲子園の内野席に多くの地元ファンが詰めかけて聖地を盛り上げた。

第58回大会=新湊
1回戦:1-0 享栄(愛知)
2回戦:7-4 拓大紅陵(千葉)
準々決勝:2-1 京都西(現・京都外大西=京都)=延長14回
準決勝:3-8 宇都宮南(栃木)

 富山県としては実に16年ぶりの出場校となった新湊は、前年秋の大会で打率3割にも満たず、打率最下位チームとしての参加だった。しかし、エース酒井盛政投手がその劣勢をはね返す見事な投球を披露していく。

 初戦の相手、プロ注目左腕、享栄近藤 真一投手(現岐阜聖徳学園大監督)が12奪三振1失点の好投も、酒井も負けじと2安打完封で勝利。のちに中日に入団しルーキー初登板で無安打無得点試合をマークした投手に投げ勝って快進撃をスタートさせた。2回戦も、のちにヤクルトに入団する飯田 哲也捕手を中心とした拓大紅陵に0-4から、酒井の逆転2点適時二塁打など、6回一気の6得点などで逆転勝ち。「ミラクル新湊」とも言われた。準々決勝は大死闘となり、延長14回の激戦の末に京都西に勝利した。エース酒井は18安打を許しながら粘り強い投球と固い守備に守られて1失点完投勝利を挙げた。結局、のちに近鉄で活躍した高村 祐投手(現・ソフトバンク2軍投手コーチ)を擁する宇都宮南の前に準決勝で敗れたが、富山県のセンバツの歴史に大きく刻まれるベスト4だった。

 富山県勢のセンバツの通算成績は7勝17敗。都道府県別勝利数ランキングは45位。富山県勢7勝中、新湊は4勝。出場は2回ながら勝利数ではトップに立っている。


【富山のセンバツ出場校一覧】

大会 年度    出場校
1回 1924(大13) ―
2回 1925(大14) ―
3回 1926(大15) ―
4回 1927(昭2) ―
5回 1928(昭3) ―
6回 1929(昭4) ―
7回 1930(昭5) ―
8回 1931(昭6) ―
9回 1932(昭7) ―
10回 1933(昭8) ―
11回 1934(昭9) ―
12回 1935(昭10) ―
13回 1936(昭11) ―
14回 1937(昭12) ―
15回 1938(昭13) ―
16回 1939(昭14) ―
17回 1940(昭15) ―
18回 1941(昭16) ―
1942(昭17)戦争のため中止
1943(昭18)戦争のため中止
1944(昭19)戦争のため中止
1945(昭20)戦争のため中止
1946(昭21)戦争のため中止
19回 1947(昭22) ―
20回 1948(昭23) ―
21回 1949(昭24) ―
22回 1950(昭25) ―
23回 1951(昭26) ―
24回 1952(昭27) ―
25回 1953(昭28) ― 
26回 1954(昭29) ―
27回 1955(昭30) ―
28回 1956(昭31) 滑川
29回 1957(昭32) ―
30回 1958(昭33) ―
31回 1959(昭34) ―
32回 1960(昭35) ―
33回 1961(昭36) ―
34回 1962(昭37) ―
35回 1963(昭38) 富山商
36回 1964(昭39) ―
37回 1965(昭40) ―
38回 1966(昭41) ―
39回 1967(昭42) 富山商
40回 1968(昭43) 高岡商
41回 1969(昭44) 富山北部
42回 1970(昭45) 富山商
43回 1971(昭46) ―
44回 1972(昭47) ―
45回 1973(昭48) ―
46回 1974(昭49) ―
47回 1975(昭50) ―
48回 1976(昭51) ―
49回 1977(昭52) ―
50回 1978(昭53) ―
51回 1979(昭54) ―
52回 1980(昭55) ―
53回 1981(昭56) ―
54回 1982(昭57) ―
55回 1983(昭58) ―
56回 1984(昭59) ―
57回 1985(昭60) ―
58回 1986(昭61) 新湊
59回 1987(昭62) ―
60回 1988(昭63) 高岡商
61回 1989(平1) ―
62回 1990(平2) ―
63回 1991(平3) ―
64回 1992(平4) ―
65回 1993(平5) 氷見
66回 1994(平6) ―
67回 1995(平7) 富山商
68回 1996(平8) ―
69回 1997(平9) ―
70回 1998(平10) ―
71回 1999(平11) ―
72回 2000(平12) 高岡第一
73回 2001(平13) ―
74回 2002(平14) 新湊
75回 2003(平15) ―
76回 2004(平16) ―
77回 2005(平17) ―
78回 2006(平18) 高岡商
79回 2007(平19) ―
80回 2008(平20) ―
81回 2009(平21) 富山商
82回 2010(平22) 高岡商
83回 2011(平23) ―
84回 2012(平24) ―
85回 2013(平25) ―
86回 2014(平26) ―
87回 2015(平27) ―
88回 2016(平28) ―
89回 2017(平29) 高岡商
90回 2018(平30) 富山商
91回 2019(平31) ―
92回 2020(令2) ―
93回 2021(令3) ―
94回 2022(令4) ― 
(2020年は開催中止。☆は21世紀枠)

(記事:浦田 由紀夫

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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