座ったときに足を組んでいませんか
足を組んでしまう動作は、体からのサインだと思って改善しよう
授業時間中や通学時間など、椅子に座った状態で過ごす時間は意外と長いのですが、皆さんは座ったときについ足を組んでしまうことはありませんか。足を組む理由はいくつか考えられますが、身体的な側面から考えると「同じ姿勢を維持することがつらい(特に腰痛持ちの選手など)」「足を組んだ方がラクだから」「そもそも椅子に腰掛ける姿勢が崩れている」といったことが考えられます。
「授業中に同じ姿勢で過ごすのがキツい」という選手は比較的多いと思います。その際にお尻が痛くなってしまう、足がしびれてしまうといったことを避けるために、自然に足を組んでよりラクな姿勢を探しているのかもしれません。定期的に立ち上がったり、軽く体を動かすことができればいいのですが、むずかしい場合はクッションなどを利用して荷重を分散させるという方法もあります(私のオススメは腰痛を和らげるヨックションというクッションです)。
「足を組んだ方がラクだから」という選手は左右の筋力や筋肉の柔軟性などのバランスが崩れ、どちらか一方の筋力が弱かったり、どちらか一方の筋肉が硬かったりといったことから、足を組む姿勢がラクに感じられるようになります。よく「骨盤のゆがみ」と言われますが、骨盤そのものがゆがむというよりも、骨盤に付いている筋肉のバランスが崩れ、本来あるべき骨盤の位置からはずれてしまっていると考えた方が良いでしょう。習慣的に足を組むことが多い選手は、股関節周辺部や臀筋(お尻の筋肉)、背筋等のストレッチやトレーニングを行ってそのバランスを改善させる必要があります。常に同じ足を上に組んでしまう場合、上にある足の臀筋などが弱っている可能性があります。
椅子に座るときは骨盤を立てた状態を保って、背もたれに依存せずに座ることが理想的です。もしこの姿勢が取りにくい場合は踏み台などを利用して、膝の高さを少し上げるだけでもラクになることがあります。知らない間に足を組んでしまうことは、体からのサインともとらえることができます。いつもの習慣を見直して、できることから改善してみましょう。
文:西村 典子
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