スローガンは「一意専心」タイガース杯連覇の強豪ヤングが取り組む「心」の教育とは?
兵庫夢前ヤングの練習風景
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昨年12月に行われたタイガースカップ2021で見事優勝を果たし、大会連覇を達成した兵庫夢前ヤング。これまでDeNA2位の徳山 壮磨投手(大阪桐蔭出身)や元ロッテの宗接 唯人捕手(JFE東日本・神戸国際大附出身)と2人のプロ野球選手を輩出しており、毎年多くの選手が強豪校へと進んでいる。
チームが設立したのは2007年。立ち上げ当初から監督を務める浄徳 一智監督は、「最初は野球教室のような感じで始まった」と振り返るが、部員は右肩上がりに増えていった。グラウンドにはライトもなく、保護者の車を並べて明かりを照らす時代もあったが現在は3学年で66人。練習は夢前スポーツセンターを使用して、練習に打ち込むことができている。
プロ野球選手も輩出し、チームとしても関西地区の実力派として名を鳴らすまでになったが、兵庫夢前ヤングが長年掲げているチームのスローガンは「一意専心」。
言葉としての意味は、「他に心を向けずに、一つのことに集中すること」だが、これは野球だけに集中しろといった意味合いではない。
ここには「目の前にあることに集中して、野球にも勉強にも全力を注いでほしい」といった思いがあると浄徳監督は強く語る。
「選手たちに常に言っているのは、野球する時にはとにかく野球に集中して、勉強する時は勉強に集中しろ、ということです。目の前にあることに全力を注ぎ、ここで集まるときはとにかく野球する。
自分一人でも追い込んで練習できて、指示待ちの選手にはなってほしくないなと思っています。そういった思いが、この『一意専心』のスローガンには込められています」
現在3年生の選手たちはすべての大会を終えて、あとは推薦入試や一般受験と各々の道を進むことになるが、野球での推薦入試を受ける選手は、休むことなくグラウンドに姿を見せてトレーニングに打ち込んでいる。中学では目立たなかった選手でも、高校では主力選手へと成長するケースも多くあるといい、『一意専心』のスピリットは高校進学も選手たちの活躍の土台となっている。
(取材:栗崎 祐太朗)