News

【楽天】優勝できる投手力発揮できずも、新人早川が貴重な戦力に

2021.12.21

【楽天】優勝できる投手力発揮できずも、新人早川が貴重な戦力に | 高校野球ドットコム
早稲田大時代の早川 隆久投手

 2021年シーズンが終了した。東京五輪があり変則日程ながら2年ぶりに143試合が行われ、セ・リーグはヤクルト、パ・リーグはオリックスが前年最下位からの優勝となった。日本シリーズは優勝チーム同士の対戦となり、ヤクルトが4勝2敗で20年ぶりの日本一に輝いた。

 両リーグのタイトルは確定したが、12球団各チームの中でのランキングはどうだったのか。今季のデータを振り返り、投手、打者に分けてランキングを紹介していく。

 今回は楽天の投手編。先発陣では実績十分の布陣で臨みながら、チーム防御率は3.40でリーグ4位に終わった。優勝候補に挙げられた要因に投手力があったが、思うような結果が得られずチーム全体でも3位だった。

 勝利数は則本がトップ。2ケタ勝利を挙げたのは2人で、則本は3年ぶりの2ケタだった。瀧中は昨年2勝からのジャンプアップ。プロ初の2ケタ勝利を挙げた。ルーキー早川はあと1勝で2ケタを逃した。期待された田中将は4勝に終わった。

<勝利数上位ランキング>
1位 則本 昂大 11勝(5敗)
2位 瀧中 瞭太 10勝(5敗)
3位 岸 孝之 9勝(10敗)
3位 早川 隆久 9勝(7敗)
5位 涌井 秀章 6勝(8敗)

 規定投球回数の3分の1とハードルを低く設定しての防御率では、中継ぎで大活躍した安樂がトップに立った。上位3人は救援陣。田中将は不満の残る結果だった。

<防御率上位ランキング>(規定投球回数3分の1以上)
1位 安樂 智大 2.08(56.1回)
2位 宋 家豪 2.23(60.2回)
3位 酒居 知史 2.28(51.1回)
4位 田中 将大 3.01(155.2回)
5位 則本 昂大 3.17(144.2回)

 

 投球回数では田中将がトップ。年間通してローテーションを守ったが、結果がついてこなかった。早川はプロ1年目から首脳陣の期待に応えたといえる。

<投球回数上位ランキング>
1位 田中 将大 155.2回(防御率3.01)
2位 岸 孝之 149回(防御率3.44)
3位 則本 昂大 144.2回(防御率3.17)
4位 早川 隆久 137.2回(防御率3.86)
5位 瀧中 瞭太 103.2回(防御率3.21)

 登板試合数ではセットアッパー役が多かった宋がトップ。5年目で最多登板試合となり、リーグでも2位だった。安樂も昨年の倍以上の58試合に登板した。酒居はチーム最多のホールドを誇り、リーグでも2位だった。

<登板試合数上位ランキング>
1位 宋 家豪 63試合(24ホールド)
2位 安樂 智大 58試合(22ホールド)
3位 酒居 知史 54試合(28ホールド)
4位 松井 裕樹 43試合(24セーブ)
5位 森原 康平 34試合(3ホールド)

 奪三振では則本が貫禄で1位。リーグでもオリックス山本に次いで2位と、3年ぶりに150以上の三振を奪った。

<奪三振数上位ランキング>
1位 則本 昂大 152(23試合144.2回)
2位 岸 孝之 131(25試合149回)
3位 早川 隆久 127(24試合137.2回)
4位 田中 将大 126(23試合155.2回)
5位 涌井 秀章 76(21試合96.1回)

 1試合当たりの四球数を表す与四球率では、田中将がトップ。制球力の安定感はさすがといえる。2位にはルーキーの早川が入った。

<与四球率上位ランキング>(規定投球回数の3分の1以上)
1位 田中 将大 1.68(155.2回29四球)
2位 早川 隆久 1.96(137.2回30四球)
3位 岸 孝之 2.05(149回34四球)
4位 則本 昂大 2.18(144.2回35四球)
5位 瀧中 瞭太 2.34(103.2回27四球)

 田中将、則本、岸、涌井に早川が加入し、安樂、宋、松井と安定している投手陣を武器に強さを誇ると予想されたが、優勝争いから脱落し3位に終わった。早川ら若い力が来季への飛躍を思わせる結果を残したことが明るい材料だ。


 12月2日現在の楽天投手登録の支配下選手、自由契約選手は以下の通り。

<楽天支配下選手>投手
(数字は背番号、カッコ内は出身高校)

1 松井 裕樹桐光学園
11 岸 孝之名取北
13 森原 康平山陽
14 則本 昂大八幡商
16 涌井 秀章横浜
17 塩見 貴洋(帝京五)
18 田中 将大駒大苫小牧
19 藤平 尚真横浜
20 安樂 智大済美
21 早川 隆久木更津総合
23 弓削 隼人佐野日大
28 酒居 知史龍谷大平安
29 高田 孝一平塚学園
31 福井 優也済美
32 ブセニッツ
40 内間 拓馬宜野座
41 釜田 佳直金沢
43 宋 家豪
45 渡邊 佑樹富士学苑
47 藤井 聖富士市立
52 津留﨑 大成(慶応義塾)
53 髙田 萌生創志学園
56 鈴木 翔天向上
57 瀧中 瞭太高島
58 辛島 航飯塚
60 石橋 良太明徳義塾
62 西口 直人山本
64 福山 博之大東
68 寺岡 寛治東海大五
69 内 星龍履正社

<自由契約選手>
22 牧田 和久静清工
39 引地 秀一郎倉敷商)→育成再契約
49 福森 耀真北九州)→育成再契約
59 菅原 秀福井工大福井)→引退
61 佐藤 智輝山形中央)→育成再契約
72 池田 駿新潟明訓)→引退

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.02

【茨城】常総学院、鹿島学園、水戸一、つくば秀英が4強入り<春季県大会>

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.05.02

激戦必至の春季千葉準決勝!関東大会出場をかけた2試合の見所を徹底紹介!

2024.05.02

【長野】松商学園、長野日大、東海大諏訪などが県大会出場へ<春季県大会支部予選>

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【長野】上田西、東海大諏訪、東京都市大塩尻が初戦突破<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?