試合レポート

帝京vs目黒日大

2021.10.10

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徳永の2点適時打などで新生・帝京コールド発進

帝京vs目黒日大 | 高校野球ドットコム
帝京・徳永旺典の先制打

 この秋の最大の話題は、約半世紀にわたり帝京を率いてきた前田三夫監督が勇退し、OBでコーチである金田優哉氏が監督を務めることだ。秋の指揮を執ることが決まったのは、秋季大会のメンバー登録直前。「スタートはかなり遅かったです」と金田監督は言う。

 対する目黒日大は、今の3年生は日出から目黒日大に変わった1期生。當山竜祥が2年続けて主将を務めるなど、経験は豊富だった。秋からは1、2年生で再スタートとなる。新主将には身長158センチと小柄な天艸和志が就任。「尊敬できるキャプテンでした」という當山主将の後を引き継ぐ。

 目黒日大の先発は背番号18の1年生・岩倉悠真。「エースがいないので、数で行くしかありません。岩倉がどこまでごまかせるかと思ったのですが……」と、目黒日大の木川卓見監督は言う。

 1次予選は戦っているものの、本大会は雰囲気が違うため、帝京といえども、「緊張しました」と金田監督。逆にいえば、序盤を抑えれば、目黒日大にも流れが行ったかもしれない。その意味では、1回表の攻防が重要だった。

 この回帝京は1番・小島慎也の中前安打と2四死球で二死満塁のチャンスをつかんだ。打席には6番・徳永旺典。徳永は3球目を左前安打にし、2人が生還。序盤の緊張感の中、二死から貴重な2点を入れた。

 3回表も、帝京は5番・大塚智也、6番・徳永、7番・稲垣渉の3連打で1点を追加する。

 帝京は投げては1年生ながら夏も経験している高橋蒼人が5回までに被安打2、無四球、無失点の安定した投球。夏の大会の後、「下半身を鍛えました」と言う高橋は、安定感が増した。

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帝京・高橋蒼人

 序盤でしっかり試合を作れば、後半は完全に帝京ペース。6回表は目黒日大の投手陣が3四球と荒れたうえに、帝京の4番・渡邊礼の二塁打などもあり一挙6点を入れて試合を決める。帝京は7回表も1番・小島の本塁打などで2点を追加した。

 11対0で帝京リードと、7回コールドが濃厚になったが、7回裏目黒日大は二死から、帝京の2番手・安藤翔に対し、5番・笹本真広、6番で主将の天艸和志が連打に7番・池田隼人が3ランを放ち、粘りをみせた。しかし反撃もここまでだった。

 1次予選では桜美林を破り都大会に進出した目黒日大であったが、帝京の壁は厚かった。それでも、1期生の3年生に代わり、新チームで再スタートした今大会。1次予選で桜美林に勝ち、都大会で帝京と対戦したことは貴重な経験になるはずだ。「強いチームに勝てるように準備をしたい」と、天艸和志主将は語った。

 2回戦に進出を決めた帝京の金田監督は、好投した高橋についても、「もっといける。まだピークでありません」と言う。まず1つ勝ったことで、エンジンがかかっていき、チーム力も上がっていくに違いない。2回戦は17日に都立片倉を破った駒場学園と対戦する。

(記事=大島 裕史


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1回徳永の先制打で戸田も生還
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7回本塁打を放った池田隼人
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ノックをする金田優哉監督

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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