未来沖縄vs北中城
この試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています
遅球に苦しんだ序盤
KBC学園・先発の山城寛太
コロナ禍の中、一ヶ月以上練習が出来なかったのは、どのチームも一緒。その分、選手たちに必要以上の気負いが見られたのも確か。「それを差し引いても、体が開いてバットが先に出てしまい自分たちで苦しくしてしまった」。115kmほどの遅球。引きつけて逆方向と、頭では分かっていても体がいうことをきかない。KBC学園未来沖縄打線全体が、そんな感じの序盤であった。
終盤ようやく見えた攻略が次戦に繋がる
KBC学園・平良圭太郎
北中城の先発は左腕・上村槇之介。小柄でこの日のストレートは110〜115kmといったところ。だが、球の出どころを見えにくくしつつ、クイックに近い投法で打者を幻惑する巧みなピッチングでKBC学園未来沖縄打線を翻弄していった。
2回を終えてノーヒットのKBC学園未来沖縄は3回、8番松田颯太がチーム初ヒットを放つ。まずは先取点をとばかり、送りバントのサインを出したベンチではあったが、犠打エラー含む北中城野手陣の連続エラーで苦せず1点。その後にワイルドピッチでもう1点を加えた。しかしその裏、北中城は二死二塁から2番島袋聖人がセンター前へのタイムリーヒットを放ち食らいついていった。
引き離したいKBC学園未来沖縄は5回、2番平良圭太郎、3番宮良颯の連打でチャンスを掴むと4番前田博朱がセンターへの犠牲フライを放ち3点目と再び2点リードとした。
KBC学園未来沖縄先発の右腕山城寛太は、北中城打線を僅か2安打に抑え5回でお役御免の降板となるが6回、二番手の平良圭太郎が本来のピッチングには程遠いであろう出来をみせてしまう。
先頭打者をフライに斬ったまでは良かったが、平良圭太郎自ら落球してしまう。次打者にセンター前に運ばれ犠打で一死二・三塁のピンチ。なんとここまで3球。全て初球であった。盛り上がる北中城は6番具志堅陽斗が4球目をライト前へ。KBC学園未来沖縄の右翼大城元も懸命にダイビングキャッチを試みたがあと一歩及ばす。しかし意地でグラブにボールを当てたことで打球は一・二塁間へ転がった。後逸して長打になっていたら大変な場面。記録に残らない隠れた大城元のファインプレーだった。さらに死球で一死満塁。ここでようやく平良圭太郎にエンジンがかかる。次打者を三球三振に仕留めると、9番もセンターフライに斬り追加点を与えなかった。
北中城・上村槇之介に苦しめられていたKBC学園未来沖縄だったが、6回まで120球の上村槇之介が降板したことで流れが変わる。7回、北中城二人の投手に5連続長短打を浴びせるなど打者11人の猛攻で試合を決める。その裏、平良圭太郎が三者凡退で締め勝利。「勝ったから次戦に向けての反省会が出来る。」と、神山剛史監督も安堵したのが本音。上村圭太郎から別のピッチャーに変わったが遅球を逆方向へと連打出来た7回があると無いとでは、二回戦の戦い方に大きな違いが出る。勝って兜の緒を締めるKBC学園未来沖縄。昨年の一年生中央大会で共にベスト4と実績を残したコザとの戦いが見ものだ。
(取材=當山 雅通)
この試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています
[page_break:試合シーン]タイムリーを放ちガッツポーズの北中城・具志堅陽斗
KBC学園・前田博朱
北中城・島袋聖人