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宮本Jr.や関西屈指の左腕など、シニア選手権大会で見つけた逸材中学球児たち【投手編】

2021.08.16

宮本Jr.や関西屈指の左腕など、シニア選手権大会で見つけた逸材中学球児たち【投手編】 | 高校野球ドットコム
宮本 恭佑(東練馬シニア)、安福 拓海(神戸中央シニア)、唐箕 大和(上尾シニア)、石井 晴翔(江戸川中央シニア)

 高校野球は、夏の甲子園が開催中であるが、8月が中学野球も全国規模の大会が行われた。
 8月2日~6日まで、日本リトルシニア選手権大会が宮城・山形県内で行われ、高校野球ドットコムでも「次世代の注目高校球児」を求めて、[stadium]仙台市民球場[/stadium]での試合を3日間取材させていただいた。

 今回はその中で、活躍を見せた投手を独自に10名ピックアップ。3年後の活躍を楽しみにしながらご覧頂きたい。

見応えのあった宮本恭佑投手、安福拓海投手の投げ合い

宮本Jr.や関西屈指の左腕など、シニア選手権大会で見つけた逸材中学球児たち【投手編】 | 高校野球ドットコム
宮本 恭佑(東練馬シニア)、安福 拓海(神戸中央シニア)

 まず東北勢初優勝を飾った青森山田シニアからは、エースの櫻田 朔投手が目についた。角度のあるフォームから投げ込む直球は最速132キロを記録し、リリーフとして奮迅の投球でチームの日本一に貢献。
 身長182センチ、体重67キロと投手らしい体格も魅力だが、曲がりの大きなカーブはカウントを取るボールにも、決め球にもなるボールで緩急を使った投球も特徴だ。

 また準優勝を果たした東練馬シニアのエース・宮本 恭佑投手も、大きなポテンシャルを秘めた投手だ。
最速136キロの直球に、ブレーキの利いたカーブのコンビネーションで、2回戦の神戸中央シニア戦では見事完封勝利を挙げる好投。元プロ野球選手の宮本 慎也さんの息子である点も注目されるが、実力の高さをしっかりと示した。

 そしてその宮本投手と熾烈な投手戦を演じたのが、神戸中央シニアの左腕・安福 拓海投手。
 左スリークォーターから140キロに迫る力のある直球を投げ込み、スライダーのキレも抜群。インステップ気味のフォームから投げ込むクロスファイヤーは大きな脅威で、宮本投手、安福投手の投げ合いは非常に見応えがあった。

 秋田北シニアの登藤 海優史投手は、171センチ・63キロと体は細身だが体のバネと上手さを感じさせる右腕だった。
 飛び跳ねるようなフォーム投げ込む直球は、最速131キロを記録してキレも抜群。また登藤投手は打者としても1番打者に座っており、高いミート力と俊足を活かして活躍を見せた。今宮 健太選手(福岡ソフトバンクホークス)のような投打でセンスを感じさせる選手で、ここからの成長もとても楽しみだ。

[page_break:唐箕投手、篠原投手は体の強さに注目]

唐箕投手、篠原投手は体の強さに注目

宮本Jr.や関西屈指の左腕など、シニア選手権大会で見つけた逸材中学球児たち【投手編】 | 高校野球ドットコム
唐箕 大和(上尾シニア)、石井 晴翔(江戸川中央シニア)

 リトルシニア日本代表に選出された、上尾シニアの唐箕 大和投手も前評判通りの実力を見せた。調子は決して良くなかったというが、174センチ・75キロと、ガッチリとした体格から力のこもったボールを投げ込み、体の強さを随所で感じさせた。唐箕投手は打者としても5番を任されており、まさに投打の中心選手。高校でも二刀流での活躍に期待だ。

 そして準々決勝の豊田シニア戦で、6回二死までノーヒットピッチングを展開したのは江戸川中央シニアの左腕・石井 晴翔(はるか)投手だ。
 クセのない投球フォームから、常時120キロ中盤の直球に緩いカーブを織り交ぜる投球が持ち味で、ゲームメイク能力も高い。ここから体に強さがでてくれば、さらに球速も伸びてくると思われ、高校でもチームの主戦として活躍できるはずだ。

 また札幌大谷シニアの篠原 悠投手は、171センチ・87キロとガッチリした体格から、最速132キロの直球を投げ込む力投派右腕。角度もあり、非常にパワフルな投球が印象的だった。
 1回戦の佐倉シニア戦では、ボールが走らずに序盤から失点する結果となったが、打っても5番打者としてクリーンナップに座り、投打で高い将来性を感じさせた。

 またその他にも、豊田シニアをベスト8に導いた長身右腕・高柳 大治投手や、熊本東シニアのエースで4番の松野紘太郎投手、そして佐倉シニアのWエースの一角で、打っては4番打者も務める西崎 桔平投手など、身体能力の高さ、将来性の高さを感じさせる投手が他にも多くいた。彼らのここからの成長が非常に楽しみだ。

【選手一覧】
櫻田 朔(青森山田シニア)
宮本 恭佑(東練馬シニア)
安福 拓海(神戸中央シニア)
登藤海 優史(秋田北シニア)
唐箕 大和(上尾シニア)
石井 晴翔(江戸川中央シニア)
篠原 悠(札幌大谷シニア)
高柳 大治(豊田シニア)
松野 紘太郎(熊本東シニア)
西崎 桔平(佐倉シニア)

(取材=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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