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好投手、新鋭、伝統校がひしめきあう今年の滋賀の有力校を徹底分析

2021.06.28

 第103回全国高等学校野球選手権滋賀大会が7月10日に開幕する。参加校は53校50チーム。春の県大会で4強入りした綾羽水口東立命館守山滋賀学園がシードされた。今大会は近江比叡山などノーシードの実力校も多く、混戦が予想される。

Aブロックは栗東対彦根総合。Bブロックは近江に注目!

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綾羽・矢野 航成

 Aゾーンのシード校は春優勝の綾羽。多彩な変化球を操る矢野 航成(3年)、春の近畿大会で大阪桐蔭相手に4回無失点の好投を見せた野村 亮輔(2年)ら豊富な投手陣を堅い守りで支えるディフェンス型のチームだ。攻撃面でもミートの上手い中島 陸尊(3年)と金城 颯把(3年)が攻撃の起点となり、繋がりのある野球を展開する。攻撃型2番の上村 匠(3年)や勝負強い4番の高山 心(3年)の打撃にも注目だ。

 このゾーン注目の好カードが栗東彦根総合。2季連続8強の栗東は身長184㎝左腕の小林 純大(3年)が好投手として期待されている。対する彦根総合はスタメンの大半が1年生という若いチーム。北大津を甲子園に6度導いた宮崎 裕也監督の手腕に注目だ。

 2018年春以来の甲子園を目指す彦根東は犠打や足を絡めた手堅い野球が持ち味。春8強の米原草津東も上位を狙う力がある。

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近江・山田陽翔

 Bゾーンのシード校は春4位の水口東。昨夏の独自大会準優勝時のレギュラーは神田 一樹(3年)のみだが、選手層が厚く、レギュラーと控えの差が少ない。春は右横手投げの小林 蓮也(3年)が台頭。彼を中心に粘り強い野球を展開したい。

 夏の公式戦3連覇中の近江はこのゾーンに入った。春は3回戦で敗退したが、頂点を狙う力は十分にある。キーマンとなりそうなのが、最速146キロ右腕の山田 陽翔(2年)。昨秋の近畿大会、今春の立命館守山戦ではリリーフに失敗して敗戦投手となったが、昨夏の独自大会で実力は証明済み。今夏は相手を寄せ付けない投球をできるか。打線は経験豊富な新野 翔大(3年)、明石 楓大(3年)、島瀧 悠真(3年)らが軸となりそうだ。

 2回戦で近江と対戦する可能性がある北大津も上位に顔を出す力がある。エースで4番の上坂 真人(3年)は140キロ前後の速球と高校通算20本塁打超えの長打力が持ち味。秋は滋賀学園、春は綾羽相手に接戦を繰り広げており、近江と当たっても好ゲームが期待できそうだ。

 八幡商は20年近く指揮を執った池川 準人前監督が3月末で退任し、昨年度まで部長だった小川 健太監督が4月に就任。新体制で10年ぶりの甲子園を目指す。春まで連合チームで出場していた石部は8年ぶりに単独チームで夏を戦う。

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立命館守山、滋賀学園らシード校を脅かす存在は?

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立命館守山・北村 怜士

 Cゾーンのシード校は立命館守山。一昨年秋の近畿大会を経験した選手も多く残っており、「創部6年目の今年が一番強い」と秋武祥仁監督は自信を見せる。昨秋に捕手から投手に転向した北村 怜士(3年)が140キロ超え右腕に覚醒。一昨年秋から公式戦マウンドを経験している信次 陽和(3年)も安定感があり、投手力に不安はない。

 昨夏から元阪神の伊藤 文隆監督が指揮する光泉カトリックや上位常連の近江兄弟社、一昨年秋4強メンバーが残る伊香なども虎視眈々と上位を狙う。

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滋賀学園・阿字 悠真

 Dゾーンのシード校は秋優勝の滋賀学園。エースの阿字 悠真(3年)は今秋のドラフト指名を目指すプロ注目右腕。最速146キロのストレートを軸に抜群のマウンド度胸でマウンドを守る。野手も俊足巧打の落合 克己(3年)や長打力のある鈴木 蓮(2年)ら力のある選手が揃っている。阿字に次ぐ投手が計算できるようになれば、頂点に最も近いチームだ。

 滋賀学園と初戦で対戦する水口藤原 聡大(3年)が県内屈指の好投手として注目されている。春は準々決勝で対戦して4対3で滋賀学園が勝利しているが、この夏も面白い戦いが見られそうだ。

 Dゾーンで滋賀学園に劣らない戦力を持つのが秋4強の比叡山。パワーヒッターの島口 裕輝(3年)に中角 飛雄馬(3年)、ミートの上手い藥師 志(3年)などを擁する強力打線が持ち味だ。投手陣はノビのあるストレートを投げる桐山 倫太朗(3年)と力投派の島口が軸となる。投打が噛み合えば、一気に優勝まで駆け上がってもおかしくない。

 俊足揃いの彦根翔西館伊吹も4強以上を狙える可能性はある。今年は例年以上に戦力が拮抗しており、多くの学校に上位進出、甲子園出場のチャンスがありそうだ。

(文=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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