すでに13発の佐藤輝明 大卒スラッガー1年目の本塁打率で比較
大学時代の佐藤輝明
阪神のドラフト1位ルーキー佐藤 輝明が本塁打を量産している。5月末の時点で13本塁打はセ・リーグ3位。5月28日の西武戦では新人選手では1958年の長嶋 茂雄(巨人)以来63年ぶりの快挙だった。4球団競合のスラッガーがその力をいかんなく発揮している。
ここまでの佐藤の本塁打率は13.8(179打数/13本塁打)。セ・リーグ本塁打数トップの村上 宗隆(ヤクルト)が12.1、岡本 和真(巨人)が14.1となっており、遜色ない数字を残していることがわかる。
そしてもうひとり。佐藤と同じくスラッガー候補としてドラフト1位入団をはたした渡部 健人(西武)も、二軍で長距離砲としての資質を発揮している。
渡部はすでに一軍デビューを果たし本塁打も放っている。しかしチームの方針もあり主戦場は二軍である。その二軍では32試合に出場し111打数で両リーグトップの9本塁打を放っており、本塁打率は12.3となる。
数字だけを見れば佐藤を上回っているが、一軍と二軍では単純に比較することはできない。そこでこれまでに一軍で30本塁打以上を記録している大卒出身選手の1年目の成績を調べてみた。
上記の条件に当てはまるNPBの現役選手は松田 宣浩、柳田 悠岐、山川 穂高の3人。そのなかで1年目の本塁打率がもっともよかったのは山川で13.2(277打数/21本塁打)だった。柳田は19.3(251打数/13本塁打)、松田は40.8(163打数/4本塁打)となっており、1年目は目を引くような本塁打率ではなかった。
まだシーズンは前半戦も終えておらず、渡部がこのペースで本塁打を量産できるかはわからない。それでも山川を超えるペースで2ヶ月を終えているのは明るい材料だ。これから先、どれだけのペースで本塁打を記録していくのか楽しみだ。
【30本塁打以上を記録している大卒の現役日本人選手の1年目】
※2021年NPB所属選手
松田 宣浩(中京高→亜細亜大→2005年ソフトバンク希望枠)
[一軍]62試合 打率.211(204打数43安打) 3本塁打 本塁打率68.0
[二軍]43試合 打率.252(163打数41安打) 4本塁打 本塁打率40.8
柳田 悠岐(広島商→広島経済大→2010年ソフトバンク2位)
[一軍]6試合 打率.000(5打数0安打) 0本塁打 本塁打率 —
[二軍]77試合 打率.291(251打数73安打) 13本塁打 本塁打率 19.3
山川 穂高(中部商→富士大→2013年西武2位)
[一軍]14試合 打率.100(30打数3安打) 2本塁打 本塁打率 15.0
[二軍]77試合 打率.321(277打数89安打) 21本塁打 本塁打率 13.2
※参考
佐藤 輝明(仁川学院高→近畿大→2020年阪神1位)
[一軍]48試合 打率.268(179打数48安打) 13本塁打 本塁打率13.8
[二軍]1試合 打率.000(4打数0安打) 0本塁打 本塁打率–
渡部 健人(日本ウェルネス高→桐蔭横浜大→2020年西武1位)
[一軍]6試合 打率.063(16打数1安打) 1本塁打 本塁打率16.0
[二軍]32試合 打率.252(111打数28安打) 9本塁打 本塁打率 12.3
※数字は2021年5月30日終了時点
(記事:勝田 聡)