News

巨人・戸田、亜大・松本とともに甲子園経験した武蔵大・山内大輔(東海大菅生出身) 入れ替え戦へ決意

2021.05.31

巨人・戸田、亜大・松本とともに甲子園経験した武蔵大・山内大輔(東海大菅生出身) 入れ替え戦へ決意 | 高校野球ドットコム
武蔵大学・山内大輔

 激化した優勝争いを制したのは桜美林大学だった首都大学野球は、入れ替え戦も見逃せない。今季は一部の武蔵大学と二部の明星大学によって行われ、29日の第一戦では武蔵大学が勝利。一部の意地を明星大学に見せつける結果となった。

 そのなかでも一際活躍を見せていたのは、武蔵大学の背番号18・山内大輔東海大菅生出身)だった。

 ノーワインドアップからきっちり軸足に体重を乗せてから、右腕を力強く振り抜く。140キロを超える真っすぐを軸にしながら、緩急を利かせたチェンジアップを効果的に投げ込む。このボールには明星大学の吉田監督も「手が出てしまいましたが、低めを捨ててとにかくゾーンを上げるしか攻略することが出来ませんでした」と話しており、手を焼いていたことを語る。

 一方、武蔵大学の山口監督は、山内の投球に関して、「細かなコントロールが出来ていなかったので、本調子ではなかったと思います」と厳しい評価。山内は内と外の出し入れを得意とする制球力の高さが武器だからだが、それでも明星大学は7回を投げて無死四球。開幕戦の筑波大学でも8回無死四球と安定した投球を見せており、シーズン通じて実力の高さは見せている。

 そんな山内だが、甲子園ベスト4になった2017年の東海大菅生時代は3番手投手。現在、亜細亜大学の主戦力となっている松本健吾。さらに徳島インディゴソックスから巨人の育成投手としてNPB入りした戸田懐生の2本柱に次ぐ立ち位置だった。ただ、現役時代はピッチャーとして活躍された元プロ野球選手である若林弘泰監督に、マウンド捌きなどを教わった山内は、甲子園準決勝・花咲徳栄戦で登板しており、全国の舞台を経験することが出来た。この2人に強く刺激を受けた山内はこの4年間で大きく成長を見せた。

 高校時代は真っすぐが130キロ台を計測していたが、現在は140キロ前半に到達するなど、球速は伸びている。最高学年としてピッチングの完成度はさすがといえる部分があるが、指揮官の山口監督が評価するのは、佇まいだった。

 「下級生の時は自分の成績ばかりを気にしていました。ですが、4年生になってピッチャー責任者も任されると、自ら意見を出したり、カバーリングにしっかり行くようになりました。練習でも試合でも野手に声掛けをすることが増えましたし、そういったところは4年間の成長だと思っています」

 筑波大学・佐藤隼輔仙台出身)、日本体育大学・矢澤宏太藤嶺藤沢出身)など投げ合い、防御率1.69はリーグ全体4位の好成績。リーグ戦中盤で離脱する事態もあったが、マウンド度胸だけではなくエースとしての活躍、そして立ち振る舞いを示し続けた。

 チームは翌30日の2試合目を落とし、6月1日の3試合目に持ち越しとなった。入れ替え戦3戦目では、東海大菅生時代は3番手だった山内が、武蔵大学のエースとして一部残留のために奮投なるか。高校時代はエースではなくても、大学で能力が開花するということを今後も活躍し続けることで証明してほしい。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.23

春季関東大会でデビューしたスーパー1年生一覧!名将絶賛の専大松戸の強打者、侍ジャパンU-15代表右腕など14人がベンチ入り!

2024.05.22

【宮城】仙台育英は逆転勝ち、聖和学園が接戦を制して4強入り<春季県大会>

2024.05.22

【秋田】明桜と横手清陵がコールド勝ちで4強入り<春季大会>

2024.05.22

【北信越】帝京長岡の右腕・茨木に注目!優勝候補は星稜、23日に抽選会

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.04.23

床反力を理解しよう【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?