試合レポート

東海大菅生vs聖カタリナ

2021.03.25

東海大菅生、秋ベンチ外のスラッガーが大会1号!地力の高さを発揮し、センバツ初勝利!

東海大菅生vs聖カタリナ | 高校野球ドットコム
鈴木悠平

 東海大菅生と初出場の聖カタリナ。どちらも勝てば選抜初勝利ということだった両チームだが、この一戦は東海大菅生の凄みを発揮する一戦となった。

 2回に6番に入った 東海大菅生鈴木悠平がポール際に飛び込む大会第1号となるホームランで先制すると、続く3回には3番になった千田光一郎がレフトスタンドへホームランで2点を追加。3対0とした。

 その後、聖カタリナにじわじわと追いかけてきたが、7回に5番・小池 祐吏の犠牲フライで4点目を奪った。最後は千田が1点差まで詰め寄られたが、同点までは許さずにゲームセット。聖カタリナ櫻井頼之介を攻略して2回戦進んだ。

 今大会最初のホームランを放ったのは、秋までは控えの選手だった。

 大会4日目まで終わってホームランが生まれず、「いつホームランが出るんだ」と関係者の中では話題となっていた。そんななか記念すべき一本が東海大菅生鈴木悠平だった。鈴木の名は大会前の取材から耳にしており、こんなコメントをしていた。

 「鈴木悠平が一冬かけて伸びてきています。確実性が上がってきたので、楽しみです」(若林監督)

 2月から始まった紅白戦では4番に起用されるほどの期待振り。対外試合でも好調を維持すると聖カタリナ戦ではスタメンの座を掴み、この日も4打数1安打1打点と期待に応えるバッティング。記録と記憶に残る最高の結果となった。

 「ホームランはビックリしましたが、ダイヤモンドを回っている時は歓声が凄くて夢のようでした」(鈴木悠平)

 鈴木は都大会優勝の瞬間をスタンドで見守ったが、「逆にチャンスだ」と言い聞かせて、冬場に練習を重ねた。スクワットを中心としたトレーニングやバットを振りこんでバッティングに磨きをかけた。その時、鈴木が考えていたことは下半身主体のフォーム、そして「甲子園でホームランを打つ」ことだという。

 まさに夢を実現させる一本だったが、このホームランには「秋はメンバー外でしたので、不安はありました。でも甲子園の舞台でどでかい一本を打つんですから大したものです。次も楽しみです」と若林監督は鈴木をほめたたえた。

 ただ東海大菅生が掴んだ収穫は野手陣だけではない。投手陣を見ても、聖カタリナ戦ではエース・本田峻也を登板させることなく、鈴木泰成、松永 大輝の2番手以降の投手陣で3失点に抑えて勝利できたことは大きい意味がある。

 本田の不調があり先発は鈴木泰成。そして松永大輝、千田と繋いで逃げ切ったが、投手時について若林監督は「自分の持っている力の70、80%くらいを出せればある程度計算が出来るだけの投手陣になってきました」と冬を超えて投手層にも厚みが出てきたことに手ごたえを感じていた。

  秋は控えだったメンバーが中心となって甲子園での初戦は白星を掴んだ。2回戦以降も冬で培ったチーム力を結集して、全国のライバルを倒していけるか。

(取材=田中裕毅

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.08

平成国際大の新入生は逸材揃い!帝京&茨城4強右腕、日本文理の遊撃手、高校通算20発以上の強打者らが加入!

2024.05.08

4連覇狙うオリックスの起爆剤へ! 二軍で輝く3選手

2024.05.08

古豪復活! 42年ぶり春季神奈川優勝の武相、背景にあった「徹底的な打力強化」と「9イニング勝負」

2024.05.08

筒香嘉智の復帰即逆転3ランにベイOBも興奮!二軍の打率1割台でも力を発揮できた理由とは!?

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.06

【2024年夏 全国地方大会シード校一覧】現在27地区が決定!

2024.05.03

【埼玉】春日部共栄の「反撃」なるか、5年ぶりの関東切符狙う<春季県大会>

2024.05.06

センバツV・健大高崎は夏も強い! Wエース抜きで県大会優勝、投打に新戦力が台頭中!

2024.05.03

【春季埼玉県大会】山村学園の打線が爆発!エース西川も好投!立教新座を一蹴し準決勝進出!

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>