崖っぷちの立場から大飛躍へ。10年ドラフト上位コンビ 宮国椋丞と山下斐紹の巻き返しに期待
宮国椋丞と山下斐紹
前巨人の宮国椋丞(糸満出身)が横浜DeNAと育成契約したことで大きく話題となった。
2010年ドラフト高校生は成功者が多い。投手は育成から大出世した千賀滉大(蒲郡出身)、野手もこの世代屈指のアベレージヒッター・西川遥輝(智弁和歌山出身)、3回のトリプルスリーを達成した山田哲人(履正社出身)、背番号19にふさわしい大捕手の道を歩んでいる甲斐拓也(楊志館出身)。また超強肩外野手・後藤駿太(前橋商)、高い出塁率、高い守備力で存在感を示しつつある三ツ俣大樹(修徳出身)、和製大砲・中谷将大(福岡工大城東出身)と好選手は多い。
その中で、宮国とソフトバンク1位の山下斐紹(習志野出身)は世代トップの活躍を期待された選手だった。実際に宮国は高卒2年目に6勝、防御率1.86、高卒3年目は開幕投手を任され6勝。そして2015年から中継ぎに転向し、20試合登板以上は計5回と、通算205試合とある程度成功している立場といえよう。ただ2012年時の宮国が見せてくれた輝きは、とてつもないものがあった。
もっと成績を残してほしかった、もっとスケールアップしてほしかったと思うファンは多いだろう。
現役続行が決まったことは本当に朗報である。山下も高卒1年目から主力選手になるべく二軍でも結果を残し、早い段階の活躍が期待された。しかし、通算119試合出場で、42安打、5本塁打、15打点、打率.199と思うような活躍ができなかった。山下も中日で育成選手として契約が決まり、一軍のオープン戦に4試合出場するなど支配下登録を狙っている。
来年以降も、現役続行へ向けて結果を残せるか。92年世代の期待の星といわれた2人の巻き返しに期待だ。
(文=河嶋 宗一)
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