News

2年目の西純矢はあの先輩たちとかぶる?

2021.02.06

2年目の西純矢はあの先輩たちとかぶる? | 高校野球ドットコム
西 純矢(創志学園出身)

 2月4日、12球団最速で阪神が紅白戦を行った。注目のドラフト1位ルーキー佐藤 輝明は「1番・左翼」で先発出場。快音は響かず3打数ノーヒットに終わっている。

 一方で2019年のドラフト1位西 純矢は2回無失点と上々の滑り出しを見せた。主砲の大山 悠輔からは空振り三振を奪い、矢野 燿大監督へ猛アピールしている。

 昨シーズンは一軍デビューをはたすことはできなかったが、ファームでは11試合に登板し4勝3敗、防御率4.00とまずまずの成績を残した。9月上旬までは短いイニングでの登板だったが、9月24日からは5試合連続で5回以上を投げている。また、10月18日の広島戦では6.2回1失点と好投し大器の片鱗を見せた。

 今シーズンはさらなる飛躍が期待されていることは間違いない。チーム初となる紅白戦で先発を任されていることからも矢野監督が期待していることもわかるだろう。

 さて阪神における過去の「高卒ドラ1投手」たちは、2年目にどのような成績を残してきたのだろうか。平成元年(1989年)以降の選手たちを振り返ってみたい。

 平成元年以降に阪神が1位で獲得した高卒の投手は西が6人目になる。これまでの5人のうち2年目に一軍登板を果たしているのは、藤浪 晋太郎大阪桐蔭高/1994年1位)と藤川 球児(高知商業高/1998年1位)のふたり。

 藤浪は先発ローテーションの一角を占め規定投球回に到達し11勝をマークした。一方の藤川は中継ぎとして19試合に登板。この時点で勝ちパターンに入っていなかったが、22.2回を投げ25三振と投球回数を上回る三振を奪っていた。両投手とも2年目から、「おためし」や「顔見せ」以上の出番を勝ち取っていたのである。

 一方で高卒2年目のシーズンに一軍登板できなかったのが、安達智次郎(村野 工業高/1992年1位)、山村 宏樹(甲府工業高/1994年1位)、鶴 直人(近大付高/2005年1位)の3人だ。

 安達はそれ3年目以降も一軍での登板はなく、一軍未登板で現役を引退した。山村は3年目に一軍初登板を果たし、4年目に初勝利。その後、近鉄、楽天へと所属を変えながら通算225試合に登板。楽天の創設期を中継ぎとして支えている。

 鶴も3年目に一軍初登板を掴むと、2012年には中継ぎとして43試合に登板し防御率1.89と中継ぎ陣を支えた。その後、2016年の現役引退までに通算117試合の登板で9勝8敗、防御率3.80の結果を残している。まずまずではあるが、ドラフト1位の黄金ルーキーということを考えると、少し物足りなさが残る。

 はたして西は、藤浪や藤川のように2年目から多くの出番を勝ち取ることができるだろうか。期待の若虎から目が離せない。

<阪神の高卒ドラフト1位投手>

2019年:西 純矢創志学園高)
[2021年]

2012年:藤浪 晋太郎大阪桐蔭高)
[2014年]25試合 11勝8敗 163回 奪三振172 与四球64 防御率3.53

2005年:鶴 直人(近大付高)※高校生ドラフト
[2007年]一軍登板なし

1998年:藤川 球児(高知商業高)
[2000年]19試合 0勝0敗 22.2回 奪三振25 与四球18 防御率4.76

1994年:山村 宏樹(甲府工業高)
[1996年]一軍登板なし

1992年:安達 智次郎(村野工業高)
[1994年]一軍登板なし

(文:勝田 聡

関連記事
【写真】高校BIG4で写真を撮る西 純矢
江夏、田淵のバッテリーも外野は手薄? 阪神歴代のドラフト1位でチームを組んでみた
掛布、新庄、赤星…阪神の下位指名選手でベストナインを組んでみた

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.24

【関東】25日に準決勝、2戦6発の帝京の打棒が響き渡るか<春季地区大会>

2024.05.23

春季関東大会でデビューしたスーパー1年生一覧!名将絶賛の専大松戸の強打者、侍ジャパンU-15代表右腕など14人がベンチ入り!

2024.05.23

【鹿児島NHK選抜大会展望】本命・神村学園、対抗馬・鹿児島実、2強の牙城を崩すのは?

2024.05.23

強豪・敦賀気比の卒業生は、日本大、東京農業大などの強豪大、2名の内野手がプロへ進む

2024.05.23

【野球部訪問】鳥栖工は「練習の虫」のキャプテンの元で2年連続聖地を目指す

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】