試合レポート

日大三vs都立千歳丘

2020.10.24

先発・矢後和也が5回を完全投球!日大三が5回コールドで都立千歳丘下して3回戦へ

日大三vs都立千歳丘 | 高校野球ドットコム
先発で5回完全投球を見せた矢後和也(日大三)

 24日、[stadium]ダイワハウススタジアム八王子[/stadium]で行われた秋季東京都大会は、第2試合で日大三都立千歳丘が対戦。試合は日大三が序盤の猛攻で流れを掴み、3回戦進出を決めた。

 まずは初回、一死一、三塁から4番・山岡航大のライトへのタイムリースリーベースで2点を先制すると、続く5番・土屋マックス清文もライトへのタイムリーツーベースを放ち追加点。その後も3本のタイムリーを浴びせた日大三は、初回だけで一挙7得点を挙げて試合の主導権を掴んだ。

 いきなり大きな援護を受けた先発の1年生右腕・矢後和也は、力のある直球を軸に安定感のある投球を見せる。中学時代は志村ボーイズでプレーし、東日本報知オールスター東東京選抜にも選ばれた矢後。先輩にあたる吉永健太朗を彷彿とさせるようなバックスイングから、全身を使って勢いのあるボールをどんどん投げ込む。

 直前の紅白戦ではボール先行の投球となった反省から、「今日はとにかくストライク先行でいくことを意識した」と話し、直球とスライダーをコーナーに上手く投げ分けて初回からノーヒットピッチングを続けた。

 序盤から優位に試合を進めた日大三は、4回に2本のタイムリーで2点を追加すると、9点差で迎えた5回には二死三塁から1番・星憂芽がライトへのタイムリーヒットを放ってこれでコールド勝ちが確定。
 日大三が危なげない試合で3回戦に駒を進め、また先発の矢後は5回参考ながら無安打無四死球の完全投球だった。

 試合後、日大三の小倉全由監督は「初回に7点を取って楽になった。今年のチームはどんぐりなので、みんなでやれることをやっていきたい」と語り、次の戦いに向けても気持ちを引き締めた。また好投を見せた矢後も「今日のようなストライク先行の投球で、チームの優勝に貢献したい」と笑顔で意気込みを語った。

 小倉監督は今年のチームは小粒であることを強調するが、選手それぞれの役割は明確でチームとしての形は出来ている印象だ。前チームから経験のある1番・星憂芽、2番・齋藤広空はチャンスメイク能力に秀でており、仕事をしっかりとこなす確実性も持っている。また3番・井坪朝陽、4番・山岡航大、5番・土屋マックス清文のクリーンナップも、得点圏にランナーを置いた時の集中力は見事なものだ。

 3回戦では帝京をコールドで破って勝ち上がった都立小山台と対戦の予定だ。どんな戦いを見せるのか注目だ。

 一方、敗れた都立千歳丘は、先発の船山友征が初回につかまり、その後立ち直ったかに見えたが、完全に立て直す前に日大三打線に突き放されてしまった。また日大三の先発・矢後の前に無安打に抑えられた打線も、課題を突きつけられた形となった。投打ともに一回りレベルアップして、春の逆襲に繋げていきたい。

(記事=栗崎祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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